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奈良時代に大流行した感染症・天然痘で落ち込んだ経済を回復させたのが『墾田永年私財法』だった!

歴ブロ歴史の探求者

令和5年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に移行されました。

これまでは第2類に区分され、国主導による緊急事態宣言の発動や医療機関への補助や水際対策などされました。現在は第5類に移行され経済活動が本格化し本来の生活を取り戻しつつあります。

アメリカでは2020年に中低所得者一人当たり約13万円を支給し、イギリスでは3か月間従業員の給料を8割負担するなどの経済対策を打ち出しました。

日本でも国民一人あたり10万円の給付し、非常事態宣言で自粛した飲食店等に補助金を支給するなどの支援策を出しました。また、深刻化するマスク不足対策の一環として一世帯に布マスクを2枚配布する【アベノマスク】もありました。

奈良時代に流行した感染症(天然痘)の被害

人類の歴史上、こうした感染症が流行したのは今回の新型コロナウイルスだけではありません。1980年の収束宣言以前は、天然痘と呼ばれる感染症が人々を苦しめてきました。

人類と天然痘との戦いは長く紀元前までさかのぼり、死に至る疫病として恐れられていました。日本では、奈良時代(735年~738年)にかけて大流行し、当時の人口の25%の100万人~150万人が死亡したと言われています。

天然痘に感染すると、発熱や水泡ができるのが特徴で、天然痘ウイルスを病原菌とした感染症は、医療技術の関係もありますが、天然痘の致死率は新型コロナの125倍あるとも。100人中25人が死亡する、歴史上最恐(強)の感染症だった天然痘は、当時の政権を担っていた藤原氏にも襲い掛かりました。

この時代の政権を担っていた藤原氏とは、藤原鎌足の優秀な孫たちです。

藤原四兄弟と呼ばれる彼らは政権を握る重要なポストについており、現代でいう所の総理大臣・副総理・官房長官・副官房長官の職を占めていました。そんな彼らが、天然痘によって相次いで倒れ、当時の政権は混乱を極めたそうです。

聖武天皇による経済対策【墾田永年私財法】

まさに日本の政治を中枢をも蝕んだ天然痘ですが、そんな状況でも生き残った者たちで日本を動かしていかなくてはいけません。天然痘の大流行によって冷え込んだ経済を立て直すために、当時の政府はある経済対策を講じ、日本を復活させました。

それが【墾田永年私財法】です。

歴史の授業で必ずと言っていいほど出てきた重要語句でしたね。ほかにも班田収授法や租庸調などのなつかしい言葉が浮かんできます。

天然痘流行前は土地の開拓者が亡くなれば中央政府の管理下に置かれることになっていましたが、墾田永年私財法によって開拓した土地を私有化できるようになりました。
開拓すればするほど資産が増える事から、農民たちがせっせと田畑を耕し、町が栄え人口が増えます。人口が増えると、町に商人が集まり活気が出て経済が回るようになりました。

また、農民たちが積極的に耕作する事によって、年貢も増加し中央政府も安定しました。

経済政策で武士と呼ばれる新しい職業が誕生!?

町が潤い栄える事によって、開拓された土地の食糧を狙う強盗が襲うようになりました。

そこで政府は、町を守るための施設を設置し町の巡回や護衛を行いました。この人たちが武士の始まりだと言われています。

武士と聞くと領地拡大のために戦を起こすイメージの強いですが、元々はおらが町を守る正義のヒーローだったのです。

新型コロナ後の社会変化

世界に比べると、日本では比較的新型コロナウイスは押さえられているように感じます。それも奈良時代より常に清潔な環境で生活し、日々の研究の賜物で医療が著しく発展しているからだと思います。

天然痘の流行後の経済政策【墾田永年私財法】によって経済が回復し、町を守る武士のような新しい職業が生まれました。

今回の新型コロナ流行後の各国の経済政策や社会変化で新たな構造がでできつつあります。

オンラインでの商談や会議、学校の授業などはコロナ禍で登場しました。今となってはテレワークが非日常ではなくなり、医療現場でも無理だと思われたオンライン診療も普及しつつあります。

敗戦を迎えた日本は、GHQの急激な改革によりこれまでの価値観を大きく変える事を迫られました。その結果、高度経済成長期を経てバブル景気で最高潮を迎えます。そして、失われた〇十年を経て現在にいたるわけですが、今回の新型コロナの件で戦後から築き上げてきた価値観を変える時期に私たちは来たのかもしれません。

歴史の探求者

歴史好きが講じて歴史ブログを運営して約10年。暗記教科であまり好きでないと言う人も少なくないはずです。楽しく分かりやすく歴史を紹介していければと思います。歴史好きはもちろんあまり好きではない人も楽しめるような内容をお届けします。

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