ADHD(注意欠如多動症)【遅刻が多い理由3選】保育士ママが漫画でわかりやすく解説
こんにちは。発達と育児の支援サポーター『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
ADHD(注意欠如多動症)の人は、遅刻が多いといわます。
今日は、中学生になっても遅刻の癖が治らないDくんのケースを取り上げます。
(プライバシー配慮のため、一部創作を加えています)
遅刻だけが、なおらない
Dくんは、保育園で友達とのトラブルが多い子でした。
多動性や衝動性が強く、コミュニケーション能力も低いことが理由です。
保育園の先生の勧めで療育に通い、卒園までトレーニングを続けました。
そのおかげもあり、小学校に入る頃から次第に多動性が目立たなくなりました。
クラスの友達と上手に付き合うことを覚え、中学でも平和に過ごしています。
しかし、遅刻の癖だけは、なかなかなおりません。
Dくんのケースをもとに、ADHDの人に多い『遅刻の理由』を考えてみます。
(DくんはADHDの診断を受けていますが、ASD(自閉スペクトラム症)の傾向も見られます)
1.予定変更が苦手
Dくんの生活スケジュールは、分刻みで決まっています。
何時に何をすればいいのか、きっちり決まっていることで彼は落ち着くのです。
しかしその日の朝に限って、普段の予定にはないスケジュールが入ったりすると大変です。
彼には、遅れた30分を取り戻すという機転がききません。
その後の予定がすべて30分遅れになり、結局遅刻してしまいます。
2.5分前の概念がない
例えば7時に集合であれば、ギリギリに着くのではなく、5分前の6時55分に現地に着くという計算で、朝の行動を始めなければなりません。
しかしDくんは、『5分前に到着する』ことの必要性を、何度言われても理解できないようです。
交通渋滞など、突然のトラブルがあっても、遅刻することのないように、5分早く出発しようね。ママより。
耳で聞いて理解することが苦手なDくんには、メモに書いて『見える化』することも有効です。
3.嫌なことは、あと回し
Dくんは、朝の急な予定変更があった日は、家族のサポートがなければ、ほぼ遅刻してしまいます。
しかし、彼がとても楽しみにしてるイベントがある時だけは、なぜか遅刻しないのです。
ADHDの人には、嫌なことや、面倒なことは後回しにするという特性があります。
遅刻する行事には、もともと魅力を感じていない、行くのが嫌、あるいは、それほど関心がないのかもしれません。
心の中で思っていることが、そのまま行動に出るのは、ある意味、ADHDの人は裏表がなく、心のままに行動する純粋な人だともいえるでしょう。