極濃家系ラーメン「輝道家」が水道橋に進出した理由
水道橋駅。
東京都千代田区・文京区にある、JR・都営地下鉄の駅である。駅名の由来は、神田上水水道の通る橋が近くにあったことによる。
水道橋駅は東京ドームの最寄り駅である。プロ野球を始め数多くのイベントが東京ドームやその関連施設で一年中行われ、多くの人が利用する駅となっている。
2006年には駅開業100周年を記念して、JR総武線の発車メロディが読売ジャイアンツの球団応援歌「闘魂こめて」に変更された。
JRの乗降客数は2019年まで一日80,000人台をキープしていたものの、新型コロナウィルスの影響により2020年2021年は40,000人台に落ち込んでいる。東京ドームでイベントが開催できなかったからだ。
一方、コロナ禍が落ち着き、今年から乗降客数が回復の兆しである。
東京ドームのある水道橋。その集客への影響は?
前置きが長くなったが、そんな水道橋に2023年4月「横浜家系らーめん 輝道家」がオープンした。
「輝道家」は2018年に中野区野方にオープンした横浜家系ラーメンの人気店。店主の菊地輝さんは新中野「武蔵家」出身で、人気店「武道家」の初代大将としても知られる。
驚いたのはその立地で、水道橋駅西口から降りて、30秒もすれば到着するほどの駅近物件だ。
菊地さんの出身店「武道家 本店」が東京メトロ・早稲田駅の駅前にオープンした時も驚いたが、都心のど真ん中で東京ドームからすぐの水道橋駅の真横にお店を構えるとはビックリした。ここまでの好立地はなかなかの賃料になると思われる。
「中野区野方の本店から通える範囲で、良い物件があればどこでも良いという感じで選びました。たまたま水道橋の良物件が空いたんです。都心で勝負したい気持ちはあったので、東京ドームのイベントで一年中人の多い水道橋はピッタリだと思っています」(菊地さん)
水道橋駅近くには同じ横浜家系ラーメンの「横浜家系ラーメン 田中」があるが、「輝道家」は駅の真横でさらに近い。
しかも、「輝道家」のラーメンはなんといってもその豚骨スープの濃厚さがウリだ。出身店「武道家」仕込みのスープの分厚さに加え、ビターな醤油ダレが個性的で美味しい。この強すぎるスープが東京ドームを訪れる客層にピッタリなのだという。
「東京ドームで試合やイベントがあると、やはり人の流れが全然違います。特に男性向けのイベントの時はとても忙しくなります。ただ、女性向けのイベントの時には集客にほぼ影響ないんですよね(笑)」(菊地さん)
「輝道家」のパンチのあり過ぎる一杯はやはり男性ウケが良いのだという。女性でもこってり好きの方にはぜひチャレンジしてみてもらいたいところだ。
「ラーメン 凪」運営の「新宿だるま製麺」製の麺を使用
そして、さらに注目したいのは麺だ。
横浜家系ラーメンといえば「酒井製麺」の短めの平打ち麺がおなじみだが、今回の水道橋店ではそれを採用しなかった。
「今後、各地に店舗展開していくことを考えて、他の製麺所の麺も試していきたいと考えました。
せっかく他の麺を使うならということで、仲良くさせていただいている『ラーメン 凪』が運営する『新宿だるま製麺』さんにお願いしました。
酒井製麺さんの麺は既に完成されてますが、『新宿だるま製麺』さんは常に試行錯誤されてますので、さらに美味しい麺ができるかもしれないという期待もあります」(菊地さん)
歴史も大事だが、常に自分の一杯を進化させていきたいという菊地さん。常連やファンを作るだけでなく、水道橋にイベントでしか訪れない一見客の心も掴むために、「輝道家」はインパクトのある一杯にこだわり続ける。
横浜家系らーめん 輝道家 水道橋駅前店
東京都千代田区神田三崎町2丁目20-10
※写真はすべて筆者による撮影
【関連記事:家系一筋! 「輝道家」店主・菊地輝の選ぶオススメ横浜家系ラーメン店3選】
【関連記事:【話題沸騰!】大人気店「三浦家」が家系ラーメンを捨て大胆転身! 波紋広がる「もう何系でもない」宣言】
【関連記事:「家系ラーメン 箕輪家」が中野でグランドオープン! 幻冬舎・箕輪厚介が語る「箕輪家」の真のこだわり】
【関連記事:家系ラーメンの隠れ暖簾分け! 「武蔵家」御茶ノ水店が「隠れ三浦家」として継承】