Yahoo!ニュース

日本のファンにモイーズを断じる資格はない

杉山茂樹スポーツライター

チャンピオンズリーグ決勝T1回戦。

マンチェスター・ユナイテッドが、初戦のアウェイでオリンピアコスに0−2で敗れると、日本のメディアは、モイーズ監督のサッカーに否定的な現地の声を収集。日本人向けに報じた。解任は時間の問題だ、と。

香川は悪くない。悪いのは監督のモイーズ。香川の出場時間が激減し、マンUの成績が落ちたのは、モイーズの古典的なサッカーに原因がある。日本のメディアはこれまでそう伝えてきた。それがいま、白日のもとに曝されたと言いたいようだが、そのストーリー展開には、やっぱり無理がある。

チームの成績が悪ければ、監督が責任を取るのは当然。メディアが伝えるように、解任は時間の問題かもしれない。だが、チームの不調に、香川はどう影響しているのだろうか。香川が出場していれば、チームの成績は上がったと言うつもりなのか。

日本のメディアは暗に上がったと言いたいわけだが、その根拠は何に基づいているのか。モイーズのサッカーを、無署名の原稿が、「サイドから放り込む古典的スタイルだ」と断定すること自体、報じる姿勢に問題ありと言いたくなるが、それはともかく、確かな理由もなく不成績は香川の欠場にありと決めてかかるのはあまりにも身勝手な解釈だ。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年3月

税込550(記事5本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事