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クライマックスシリーズ2連敗から日本シリーズへ進出した優勝チームはあるか

横尾弘一野球ジャーナリスト
エース・菅野智之で2連敗となった巨人は、日本シリーズに進めるか。(写真:ロイター/アフロ)

 プロ野球クライマックスシリーズは、パ・リーグは福岡ソフトバンクが2連勝し、アドバンテージの1勝と合わせて日本シリーズ進出に王手をかけたが、巨人は横浜DeNAに2連敗。アドバンテージの1勝があるとはいえ、戸郷翔征と菅野智之で落としているのはファンにとって気が気ではないだろう。

 ちなみに、ペナントレースの優勝チームが2連勝したパ・リーグは、2009、12年の北海道日本ハム、2011、15年の福岡ソフトバンク、2021、22年のオリックスと、過去6チームがすべて日本シリーズへ進出しており、第3戦に敗れたのも2009年の北海道日本ハムと2022年のオリックスだけだ。

 一方、セ・リーグでペナントレースを制したチームが2連敗したのは、2007、2012、2014年と3回あり、すべて巨人である。優勝チームに1勝のアドバンテージがなかった2007年は、第3戦も中日に敗れて0勝3敗で敗退した。その中日が相手だった2012年は、第3戦も敗れて1勝3敗となったものの、第4戦から3対1、3対2、4対2と接戦を制して日本シリーズへ駒を進めている。だが、阪神が勝ち上がってきた2014年は、第3戦以降も阪神の勢いを止められずに4連敗した。つまり、巨人は過去3回とも2連敗どころか3連敗しているのだ。

 データで見れば、巨人は10月18日の第3戦も敗れてしまうことになるが、勝てば2勝2敗のタイに戻せるし、過去の嫌な流れも振り切れるのではないか。また、2007年は中日と12勝12敗、2012年の中日とは11勝10敗3引き分け、2014年の阪神とも13勝11敗と、ペナントレースではほぼ互角の結果だった。しかし、今季は横浜DeNAに16勝8敗1引き分けと大きく勝ち越している。その相性を信じるなら、残り4試合で3勝は十分に可能性があるだろう。

 ただ、過去16回(2020年は実施されなかった)でペナントレース1位が13回、日本シリーズへ勝ち進んでいるクライマックスシリーズで、横浜DeNAは2017年に3位から勝ち上がった唯一のチームだ。どちらのジンクスが生きるのか、第3戦は極めて大きな意味を持つ対戦となる。先発のフォスター・グリフィンが先制点を挙げるまで我慢強く投げ、打線は横浜DeNAの先発・吉野光樹を早い回に攻略したい。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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