大島豪雨・特別警報がでなかった理由
今回の伊豆大島の集中豪雨は、まさにこれまで経験したことのないような雨の降り方でした。とくに明け方は一時間に100ミリ前後の降り方が継続し、6時間雨量549.5ミリは短時間強雨のワースト日本記録です。
これほどの雨なのに、気象庁はなぜ「特別警報」を発表しなかったのか?
今回の台風について、気象庁は昨日の午前中に記者会見を開き、関東に接近する台風としては、10年ぶりの規模であることなどを発表しました。
今回の台風についての予想は、進路も含めてかなり正確だったと思います。
また伊豆大島の雨量も、レーダー解析などから、記録的な雨量に達することは予想されていました。
ただ「特別警報」が発表されるには、50年に一回規模の降雨量という基準のほか、その現象が「府県程度の広がりの範囲内で10格子以上出現・・・」という、指標があります。したがって、伊豆大島だけの観測値では「特別警報」の条件を満たさないことになります。
しかしこれでは、島嶼部はどんな気象状態になっても「特別警報」が発表されることはないわけで、「命を守る」という気象警報の主旨からすると、基準は本末転倒ということになります。
「特別警報」は、この秋から始まったばかりの警報ですが、こうした矛盾を解消するよう気象庁には早急な見直しをお願いしたいと思います。
気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/kizyun.html
大島集中豪雨は6時間雨量の日本記録
http://bylines.news.yahoo.co.jp/moritamasamitsu/20131016-00028959/