【緊急提言】『緊急事態宣言』から飲食店を守るために「食べログ」と「Retty」にお願いしたいこと。
緊急事態宣言下でも営業できる飲食店
8日0時より、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言の効力が発生した。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。期間は連休明けの5月6日までと、一ヵ月間の長きにわたって日常生活の制限を余儀なくされる。
緊急事態宣言措置については、それぞれの地方の実態に合わせて各地方自治体に決定の権限がある。いち早く方針を表明した東京都は事業施設を「基本的に休業を要請する施設」「施設の種別によっては休業を要請する施設」「社会生活を維持する上で必要な施設(生活インフラ)」3つに分けて、一部施設に対しては休業を要請する方針だと発表した。休業要請する具体的な業種に関しては国と相談したうえで、10日以降に公表していくとのことだが、他の6府県については今のところ私権の制限と経済活動の縮小に関わるということから、あくまでも「3密」を避ける行動を基準に、自主判断に依るとしている。
東京都の会見では、キャバレーやナイトクラブ、バー、カラオケボックスなどは遊興施設として自粛を求める方向であるのに対して、飲食店は病院やスーパーマーケットなどと同じ、生活インフラとして区別された。つまり飲食店については「社会生活を維持する上で必要」という判断がなされたことになる。しかしながら、実際問題としては「緊急事態宣言」が出された中で、「徹底した外出自粛」が要請される状況では、わざわざ飲食店に足を運ぶ人は少ないだろう。
安心安全な飲食店を選ぶ基準がない
今回の特措法は諸外国のような強い権限を持っているわけではなく、営業自粛要請を無視しても罰則はない。同時に営業が可能な業種に関しても許可のレギュレーションがあるわけではない。何が正解なのか誰も分からないことを、個人ひとりひとりや個々の飲食店の判断に委ねるのは、現実問題として難しい。
外出自粛の状況であっても飲食店は「社会生活を維持する上で必要」と言うのであれば、厚生労働省なり地方自治体が責任を持って、店側も客側も安心して足を運べる状況にして頂きたいとこれまでも提言してきたが、正直足並みを揃えるのは難しいだろう(参考記事:【緊急提言】『緊急事態宣言』の中で飲食店に営業をさせるのならばルールを決めてくれ!)
『食べログ』や『Retty』の機動力に期待したい
そこで新たな提案をしたい。多くの人が利用しているグルメサービス『食べログ』と『Retty』で統一したレギュレーションを作成して、「安心安全な飲食店」をオススメして欲しいのだ。
以下のレギュレーションは、香港の「予防及控制疾病条例(預防及控制疾病條例)」に作られたものだが、『食べログ』『Retty』の知見を集約して日本版のレギュレーションを構築し、緊急事態宣言下の期間限定で良いので「オススメ店」としてまとめてみてはどうだろうか(参考資料:香港ローカルニュース 2020年3月31日)。
・座席は通常の座席数の半分を超えてはならない。
・テーブル間は1.5メートルの距離を置く、もしくはパーテーションを設ける。
・各テーブルは4人を越えてはならない。
・レストラン内では客も従業員もマスクを掛ける(食べる時は外しても食べ終わってレストランに留まる時はマスクをまた掛けなおすこと)。
・客はレストランに入る前に体温チェックを受けること。
・消毒ジェルを備えて客がレストランに入る際に使ってもらうこと。
上記のようなレギュレーションを満たしている飲食店は『食べログ』『Retty』に連絡をして、サイトに反映させてもらう。ユーザーは安心安全とされた店を検索したり確認が出来る。店舗には「オススメ店」としての証としてステッカーを配布する。こうすることで、飲食店は自信を持って営業が出来るし、消費者も安心してお店を利用することができる。
行きたいのに行けない、開けたいのに開けられない。客側も店側も自己判断に疲弊している。もちろん諸外国のような法的拘束力はないし、あくまでも自己申告のリストでしかない。しかし、多くのユーザーが信頼して使っているサービスの『食べログ』と『Retty』がアナウンスしていることで、ユーザーや飲食店に一定の安心感を与えることができる。レギュレーションを満たしていない場合は、自ずとユーザーからの報告が上がってリストの精度も高まるだろう。集合知サービスのアドバンテージが活かされる良い機会だと思う。
現在飲食店では「テイクアウト」「デリバリー」へのシフトチェンジが進んでいるが、『食べログ』『Retty』共にテイクアウトを行っているレストランのコーナーを迅速に立ち上げている。その機動力とスピード感に期待したい。国や地方自治体に任せている暇はない。民間のことは民間でやろう。