【緊急提言】『緊急事態宣言』の中で飲食店に営業をさせるのならばルールを決めてくれ!
飲食店は「生活インフラ」と判断
安倍晋三首相は7日夕、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を出す。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、8日0時より効力が発生し、期間は一ヵ月程度になる。
それを受けて東京都の小池百合子都知事は、6日夜に記者会見を開き、特措法に基づき実施を予定している「緊急事態措置」の案について説明した。その中で、事業施設を「基本的に休業を要請する施設」「施設の種別によっては休業を要請する施設」「社会生活を維持する上で必要な施設(生活インフラ)」3つに分けて、一部施設に対しては休業を要請する方針だと発表した。
キャバレーやナイトクラブ、バー、カラオケボックスなどは遊興施設であるとして休業要請が出る反面、飲食店は病院やスーパーマーケットなどと同じ、生活インフラとして区別された。つまり飲食店については「社会生活を維持する上で必要」という判断がなされたことになる。記者会見では飲食店の線引きが曖昧であることが指摘されたが、都としてもグレーゾーンがあることを認めた上で、個々の業態や状況によって柔軟に判断していく旨が示された。緊急事態宣言下の措置については各地方自治体に権限があるが、首都である東京の方針は他の都府県に関しても一定のスタンダードになるだろう。
営業するのが正解なのか、自粛するのが正解なのか
ひとまず、営業時間の短縮などの要請はするものの営業は可能であることは、飲食業界にとっては朗報であろう。しかしながら、実際問題としては「緊急事態宣言」が出された中で、「徹底した外出自粛」が要請される状況では、わざわざ飲食店に足を運ぶ人は少ないだろう。食事を摂るだけであれば、スーパーで食材を買って自宅で調理するか、惣菜などを買ってくるだけで事足りるからだ。
3月は週末などの外出自粛要請の中で、飲食店は営業すべきか自粛すべきか個々に悩んでいた。要請に従って店を休むと売上げが取れない。しかし営業をすると感染拡大の懸念がある。周りが自粛している中で営業を決行した店には、客が集中して売上げが普段よりも良くなるケースもあった。その反面、感染を拡げるつもりかとクレームも殺到した。何が正解なのか誰も分からないことを、行政が個々の飲食店の判断に委ねるのは、無責任とまでは言わないが罪作りであると思う。
飲食店は病院などと同じ生活インフラであると言うのであれば、外出自粛の状況であっても飲食店は「社会生活を維持する上で必要」と言うのであれば、都なり地方自治体が責任を持って、店側も客側も安心して足を運べる状況にして頂きたい。それが出来ないのであれば、営業はさせずに補償をして頂きたい。これが飲食業界の本音だろうと思う。
緊急事態宣言下における営業ガイドラインの提示を
そこで、今回の指定地域である「東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡」の7都府県にお願いをしたい。飲食店に対して「緊急事態宣言下における営業ガイドライン」を作成して、大々的に飲食店および消費者にアナウンスして欲しいのだ。
一つのモデルケースとして考えられるのが、香港の「予防及控制疾病条例(預防及控制疾病條例)」に作られたレギュレーションだ。香港では酒類販売ライセンスを持つレストラン・バー・カフェなどは6つの規定を遵守する義務を負い、違反した場合は罰金と禁固が課せられる。(参考資料:香港ローカルニュース 2020年3月31日)
・座席は通常の座席数の半分を超えてはならない。
・テーブル間は1.5メートルの距離を置く、もしくはパーテーションを設ける。
・各テーブルは4人を越えてはならない。
・レストラン内では客も従業員もマスクを掛ける(食べる時は外しても食べ終わってレストランに留まる時はマスクをまた掛けなおすこと)。
・客はレストランに入る前に体温チェックを受けること。
・消毒ジェルを備えて客がレストランに入る際に使ってもらうこと。
このようなレギュレーションを日本でも早急に作って頂き、それに沿って営業している飲食店に関しては、店頭に掲示出来るステッカーなり証明書なりを発行して「お墨付き」を与えて頂きたい。そうすることである一定の安全が担保され、安心感が生まれるので、飲食店は営業しやすくなるし、客も足を運びやすくなる。ぜひ対象地域の各地方自治体は検討して頂きたい。