『不適切にも』記事大渋滞 第4話“つめ跡”甲子園、磯村勇斗ギンギラギンと山本耕史おニャン子キメポーズ
ネットニュース、SNSなどネットがレッドオーシャン化して大渋滞のTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』ネタ。毎話の放送が、つめ跡を残すキャラクターやシーンのオーディション状態になっている。
そんな第4話でインパクトを残したのは、文句なしでムッチ先輩(磯村勇斗)。そして、メインではないシーンの地味なポジションだったなか、影でしっかりとつめ跡を残していたのが、EBSテレビ局プロデューサー栗田一也(山本耕史)だ。
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ギンギラギンにならなかったムッチ先輩の“愚か者”
磯村勇斗は圧巻の芝居だった。一緒に参考書を買いに行く約束をキヨシ(坂元愛登)にすっぽかされた純子(河合優実)は、ムッチ先輩の部屋に行く。本当の自分を理解して守ってくれる人がいないことに傷ついている、切ない胸の内をポツポツと打ち明けた純子が振り向くと、そこには白いブリーフ姿でパンいちのムッチ先輩が仁王立ち。感傷的な純子の一人語りのフリを見事に落とした。
そこから、ベッドに2人で座り、マッチの曲の意味深な歌詞を並べて純子に迫るが、ムッチ先輩の“愚か者”はギンギラギンにならなかったパーフェクトな落ち。第4話でいちばんの見どころとなるシーンだった。
一方、もうひとつ見逃せなかったのが、第3話に続いて栗田一也P(山本耕史)。カラオケで渚(仲里依紗)がおニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」を歌い、小川市郎(阿部サダヲ)や栗田Pらがマラカスを持って踊るが、サビの「おいしいハートを〜」でキレキレに踊りに踊り、「食べて」でピタッと1人止まってキメた栗田P。台本かアドリブかはわからないが、海千山千の役者・山本耕史のすごみを感じた瞬間だった。
裏の主役は毎話異なる顔を見せる純子
第4話まで放送されたなかで、裏の主役になっているのは純子だ。第1話で昭和不良のアバズレっぷりを見せたかと思えば、第2話では思春期の女子らしい可愛らしい一面をのぞかせ、第3話ではツッパる裏の父親思いの優しい素顔を見せた。
そして、第4話では父子家庭でがんばるしかなく生きてきて、誰にも甘えることができず、誰からも守られていない10代女子の寂しい胸の内を切なく吐露した。
毎話、異なる顔を見せる純子を演じる河合優実の芝居こそ、本作を通してもっとも視聴者に響いていることだろう。この先もドラマ、映画と出演作が続くが、今年いちばんのブレイク女優になりそうな予感を抱かせる。
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