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井上尚弥が世界最強のボクサーに PFPランキング1位を奪還できた理由とは

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が、ボクシングの専門誌「ザ・リング」のPFPで、1位にランクされた。

井上は6日、東京ドームで指名挑戦者ルイス・ネリ(29=メキシコ)と防衛戦を行い、6回TKOで勝利した。

PFPとは

PFP(パウンド・フォー・パウンド)とは、全階級を通じて最も強い選手を決めるランキングだ。

ボクシングは、ミニマム級からヘビー級までの17階級に分かれており、一階級に4つの世界王座(WBA、WBC、IBF、WBO)がある。

統一王者がいる場合や空位などで、王者が一階級4人以下になる時もあるが、

スーパー王者、暫定王者などを含め、一階級に4人以上王者が存在する場合もある。

そんな数多くいる世界王者たちを格付けし、最強ボクサーを決めるためにできたのがPFPだ。

複数メディアが独自に格付けしているが、その中でもっとも権威があると言われているのが、米ボクシングの専門誌「ザ・リング」だ。

井上はバンタム級時代、2022年6月に発表されたリング誌のランキングで1位に選出された。

その後は2位、3位となり、今回のネリとの試合で再び1位に選出された。

最新ランキング

リング誌の最新ランキングは以下の通りだ。

1位 井上尚弥(大橋)
2位 テレンス・クロフォード(アメリカ)
3位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
4位 サウル・アルバレス(メキシコ)
5位 アルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)
6位 ドミトリー・ビボル(ロシア)
7位 エロール・スペンス(アメリカ)
8位 ジャーボンタ・デービス(アメリカ)
9位 ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)
10位 中谷潤人(M・T)

2位のテレンス・クロフォードは、昨年7月のウェルター級4団体統一戦で、ライバル王者のエロール・スペンス・ジュニアを9RTKOで破り勝利。

その試合が評価され、長らく1位にランクされていた。

しかし、10ヶ月以上もリングから遠ざかっていたため、1位に選出し続けるのはどうなのかという意見もあった。試合頻度で比べると、直近4年で井上は8戦8勝(8KO)。それに対して、クロフォードは4戦4勝(4KO)と試合頻度が少ない。

その辺りも今回のランキングに関係したようだ。

海外メディアでも、ランキングについて様々な意見が寄せられており、井上とクロフォードのどちらが1位かの論争が起こっていた。

クロフォードが試合から遠ざかっている間、井上はマーロン・タパレスを破り、2階級で4団体統一に成功。そしてネリを破り、防衛にも成功している。

スーパーバンタム級に転向してから、3戦連続KOとまさに破竹の勢いだ。1位への返り咲きも当然の結果だろう。

PFPランキングは、現代のボクシング界で最も影響力があるランキングと言っても過言ではない。

再び1位に返り咲いたことで揺るぎない“最強の証明”となっただろう。

今後の世界最強ボクサーの動向に注目したい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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