鹿島のサッカーはなぜ川崎Fよりアピール度が低いのか。ジーコとの因果関係を探る
超攻撃的から超守備的に転じた甲府。そのクラブの色は何色か--とは、1月31日に発行した有料記事のタイトルだが、攻撃的サッカーを標榜する監督が、自らのサッカーを積極的に触れ回ろうとするのに対し、守備的な監督は、そうした態度に出ようとしない。胸を張って守備的だとは言わない。甲府もしかり。いつの間にか守備的サッカーに大変身していたという印象だ。
世界的な傾向でもある。守備的サッカーを公言するのは、イタリアの一部ぐらいに限られる。「守備的サッカーだ」と指摘することは、メディアの役割になっている。
守備的であることをできるだけ見破られたくない。そうした後ろめたさが働くからなのだろう。隠しておきたい色であるところに、守備的サッカーの弱さを見る気がする。
だが、その点に触れたがろうとしないのが日本のメディアだ。守備的サッカーに陥っているチームに、積極的に突っ込もうとしない。ハリルホジッチのサッカーに対する報道がまさにそれだ。非攻撃的なカウンターサッカーに陥っているにもかかわらず、指摘することを避けている。
攻撃的サッカーを今日的に言い直せば、バルサ的サッカーだ。「目指すはバルササッカーだ!」と言われれば、大抵はひれ伏すように黙り込む。(最近のバルサは、けっして攻撃的には見えなくなっているが、それはともかく)。バルサ的なサッカーは、錦の御旗のように扱われている。
ボール支配率の高いサッカー、パスを繋ぐサッカーもその仲間に加えることができる。いずれも好印象を漂わせるまさに宣伝文句だ。
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