【スタート前に何度もトイレに行く人は危険?】その理由と対策
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回はスタート前の頻尿についてまとめます。
・短時間で理解・対策ができるようまとめました。
・時間のない方は、黒板だけでもOKです。
・深く知りたい場合は、Noteも読んで下さい(無料)。
では早速いってみましょう!!
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マラソンのスタート前、トイレは大混雑します。
特に冬の大会の混雑はすさまじく、長蛇の列ができます。
なのに「トイレに行っても行っても、またすぐに行きたくなる」なんていうことはないでしょうか。そして対策をせずに何度もトイレに行ってしまうと、ランニングに悪影響になる可能性があるということは知っていますでしょうか。
どうしていけないのか、それを覚えて是非今後は対策を立てるようにして下さい!
スタート前の頻尿の原因①
スタート前にトイレに行きたくなる原因は二つあります。
一つ目は「膀胱冷却反射」で、体が(特に膀胱が)冷えると膀胱が縮こみあがり、尿意を感じやすくなります。
だから寒いときはトイレに行っても「これだけしか出ないの?」と感じることが多いと思います。
電車を降りた直後、
会場について着替えた直後、
スタートに並ぶために上着を脱いだ直後、
「あっトイレ!」ってなるのは、そういう原因があるんです。
スタート前の頻尿の原因②
そしてもう一つの原因は「寒冷利尿」というものです。
冷えると体から熱が逃げないように、体表の毛細血管が収縮します。すると内臓への血流が増加して、普段より尿がたくさんつくられるようになります。
結果大会では、寒くて一度トイレに行ったあとも、繰り返しトイレに行きたくなるんです。
実はこの寒冷利尿が要注意なんです・・・
寒冷利尿について知っておいて欲しいこと
寒冷利尿は30分までがピークですが、1時間以上続くと言われます。
そして水分だけではなく、塩分、ミネラルもガッツリ失ってしまうんです(「寒冷馴化により喪失量は抑えることが出来る」とも言われています)。
脱水・ミネラル不足になってしまうのは、夏だけではないんです。
結果、寒冷利尿で頻尿になるとパフォーマンスが低下するかも!?
利尿効果で体が軽くなるのは、5kmとか10kmなら逆によいのでは?と思うかもしれません。
ですが、15分程度の持久的運動のパフォーマンスが低下したとする研究もあります。ましてやハーフ・フルマラソンでは、脱水・ミネラル不足で終盤に足がつってしまうかもしれません。
そのためには、膀胱冷却反射はともかくとして、寒冷利尿を緩和させる戦略は必要です。
寒冷利尿の対策は?
以上から対策をたててみます。
まず着替えるときに、多くの方は尿意を生じます。
着替える前に、トイレの位置を確認しましょう。
そして着替えたら、極力暖かい恰好で待ちましょう。
気合でガマンしてもあまりいい事はありません。
もし寒冷利尿で何回もトイレに行ったら、レース中にしっかり水分・塩分を摂取しましょう。
スタート前の頻尿に対する薬はあるの?
トイレが大行列の大会の場合「頻尿治療薬を飲んじゃダメ?」と聞かれることがあります。おそらく「膀胱冷却反射」には一定の効果はあると思います。ですが、心臓や肺への影響も皆無ではありません。マラソンの前には服用しない方がよいと思います。
強いて言うと、八味地黄丸は効果があるかもしれません。更年期障害や、男性のシリアスランナーで多い低テストステロン(LOH症候群)にも効果あると言われていますので、スタート前のトイレでお困りの方は試してみるとよいかもしれません。
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
もっと詳しくしりたい方は、Noteを参照下さい
:マラソン前のトイレ事情~原因と対策~(Note)
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています(日比谷ライドのコーチ紹介)。
発信はおもにNoteでしています(ビアランニングドクターのNote)。