赤褐色の濁り湯に逢いたくて!妙高山麓で見つけた紅白の紅の湯「関温泉 癒しの湯宿 朝日屋」
温泉ライターの泉よしかです。
妙高山麓には7つの温泉地を擁する妙高高原温泉郷というものがありまして、その中でも標高の高い奥まった場所にある「燕温泉」と「関温泉」は、泉質も色も香りも異なるので両方入り比べると楽しいです。
今回はその二つの温泉のうち、赤褐色の濁り湯の「関温泉」にある「朝日屋」を紹介します。
白い温泉「燕温泉」と赤い温泉「関温泉」
妙高山東麓には3キロ弱離れた「燕温泉」と「関温泉」という2つの温泉地があり、いずれも美しい濁り湯ですが、色やにおいがまったく異なります。
「燕温泉」は白い濁り湯の温泉で、硫化水素臭ただようカルシウム・ナトリウム・マグネシウム―炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉。
一方「関温泉」は赤褐色の濁り湯の温泉で、金属臭ただようナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉です。
つまり「燕温泉」と「関温泉」をはしごすれば、おめでたい紅白のお湯に入れるというわけ。
「源泉100%かけ流し宣言」を行っている関温泉
「関温泉」で私が入浴したのはこちら、温泉街の中ほどに建つ「癒しの湯宿 朝日屋」。
上杉謙信の隠し湯とも伝わる関温泉は、通り沿いに11軒ほどの旅館が立ち並ぶ鄙びた温泉地です。源泉は燕温泉と関温泉の間にある湧出地で湧き、関温泉街の旅館はそのお湯を共同で使用しています。
そして全ての旅館が源泉100%かけ流しを行っていて、どのお宿でも循環しないそのままのお湯が楽しめます。
もちろん「朝日屋」でも、非循環はもちろんのこと、加水も加温もしない天然そのままの温泉に入れます。湧出地から1キロほど引いてくる間に少し冷める分も含めて、そのままで入浴に適した温度のお湯が湧いていることも、関温泉のお湯が極上である証左でしょう。
「朝日屋」のお風呂に入る
「朝日屋」には男女別の浴室があり、それぞれ露天風呂が付いています。
綺麗な浴室ですが、床の一部が緑のような黒のような色に染まっています。温泉成分によるものでしょう。
お湯は期待していた通りの色…いえ、お湯の底が見えているからむしろ透明に近いような。
実は鮮度が良いお湯は濁らないのです。空気に触れて酸化することによって濁り湯になります。透明度が高いということは、「朝日屋」のお風呂はそれだけお湯の鮮度が良いということでしょう。
ちなみに底をさらってみると、鉄分と思われる赤茶色の粒状の湯の花がたくさん舞い上がり、綺麗な赤褐色の濁り湯に変わります。
お宿に着いた時は雨が降っていたのですが、露天風呂に出たら青空が広がっていました。山の天気は変わりやすく、日が差すとお湯の色もとても綺麗に見えます。
「朝日屋」の露天風呂は冬季休業で、例年5月中旬~10月中旬の期間限定なのですが、2024年は雪が少なかったため例年より早めの4月中旬からオープンさせたそうです。
私はこの時期は内湯だけだろうと思っていただけに、行ってみたらちょうど2、3日前から露天風呂にお湯を入れ始めたと聞き、大変ラッキーだったと嬉しくなりました。
なお、関温泉のお湯は鉄分を含んでいるのでタオルなどに色が付きやすいです。洋服に着くことが心配な場合は、上がる時に軽くシャワーで流すと安心です。温泉成分も一部流れてしまうので、できればそのまま上がっていただきたいとは思いますが。
関温泉は妙高山麓の秘湯然とした温泉地ですが、マイカーのほか、妙高市営バス「妙高めぐりん」でもアクセスできます。また近くには「関温泉スキー場」というスキー場があるので、グリーンシーズンはもちろん、冬の旅行先にもおすすめします。
関温泉 癒しの湯宿 朝日屋
住所:新潟県妙高市関温泉
電話:0255-82-3139(9:00~21:00)
日帰り入浴:9:00~17:00(清掃時や混雑時などを除く) 大人500円
公式サイト:関温泉 癒しの湯宿 朝日屋(外部リンク)