DHのサイクル安打は、捕手よりも珍しいのか。アルバレスはMLB史上9人目。NPBでは2人だけ
7月21日、「3番・DH」として出場したヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は、サイクル・ヒットを達成した。4打席に立ち、シングル・ヒット、ホームラン、三塁打、二塁打の順に打った。
ベースボール・リファレンスによると、DH出場の選手によるサイクル・ヒットは、史上9人目だという。ちなみに、アルバレスの前の3人、6人目~8人目は、2019年6月13日の大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)とその翌日のジェイク・バウアーズ(当時クリーブランド・インディアンズ/現ミルウォーキー・ブルワーズ)に、2022年5月11日のクリスチャン・イェリッチ(ブルワーズ)だ。
大谷とバウアーズのサイクル・ヒットについては、こちらで書いた。
◆「2日続けて、サイクル安打の達成者が現る。前日の大谷翔平と同じく、こちらもメジャーリーグ2年目」
一方、捕手出場の選手によるサイクル・ヒットは、延べ17人を数える。
◆「数少ない「捕手のサイクル安打」のなかでも、16人目のリアルミュート以上に珍しかったのは…」
日本プロ野球においても、DHのサイクル・ヒットは、捕手よりも少ない。DHは、1980年7月29日の大宮龍男と2007年9月22日のフリオ・ズレータ。捕手は、1950年6月27日の門前真佐人、1989年10月1日の田村藤夫、2004年4月4日の細川亨に、2019年4月9日の梅野隆太郎(阪神タイガース)だ。また、1992年のオールスター・ゲーム第2戦は、捕手の古田敦也がサイクル・ヒットを達成している。
ちなみに、当時の大宮は、日本ハム・ファイターズの捕手だったが、サイクル・ヒットの試合は、正捕手の加藤俊夫がマスクをかぶり、木田勇とバッテリーを組んだ。
もっとも、人数は少ないものの、DHのサイクル・ヒットは捕手よりも珍しい、とは言えない。メジャーリーグの両リーグのうち、ア・リーグのDHは1973年から、ナ・リーグは短縮シーズンの2020年と2022年以降だ。日本プロ野球は、パ・リーグが1975年にDHを導入。セ・リーグは、DHを採用していない。
例えば、1973~2019年にメジャーリーグでサイクル・ヒットのDHは、7人いた。このなかに、ナ・リーグの選手はいない。一方、同じスパンに、サイクル・ヒットを達成したア・リーグの捕手は4人だ。