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2日続けて、サイクル安打の達成者が現る。前日の大谷翔平と同じく、こちらもメジャーリーグ2年目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイク・バウアーズ(クリーブランド・インディアンズ)May 14, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月14日、前日の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に続き、ジェイク・バウアーズ(クリーブランド・インディアンズ)がサイクル安打を達成した。MLBスタッツによれば、2日連続のサイクル安打は、1912年6月9日のトリス・スピーカーと翌日のチーフ・マイヤーズ以来だという。

 大谷とバウアーズは、2人ともメジャーリーグ2年目だ。年齢は23歳と24歳。どちらも左打者で、バウアーズはレフトと一塁を守るが、大谷と同じく、サイクル安打はDHとして記録した。昨シーズンは96試合で打率.201に終わり、今シーズンも前日までの63試合で打率.209ながら、パワーは伸びしろがある。昨シーズンのホームランは11本。サイクル安打達成となったホームランは、今シーズンの8本目だ。

 バウアーズが「大谷の翌日にサイクル安打を達成した選手」としてトリビア・クイズに名を残すか、ともに殿堂入りが確実なイチローアルバート・プーホルス(現エンジェルス)が同じ日にメジャーデビューしたように、「大谷とバウアーズが2日続けてサイクル安打」として記憶されるかは、これからだろう。

 107年前に2日続けてサイクル安打を達成した2人のうち、スピーカーは3500本以上のヒットを打ち、殿堂に入っている。一方、マイヤーズは殿堂入りしていないが、1910年代前半にニューヨーク・ジャイアンツで正捕手を務めた。なかでも、1911~13年の3シーズンは、現在のMVPに当たるチャルマーズ・アウォードの投票で、それぞれ10位、3位、5位にランクインした。

 なお、2日連続のサイクル安打は、史上最短のスパンではない。1920年9月17日にボビー・ビーチジョージ・バーンズ、2008年9月1日はスティーブン・ドルーエイドリアン・ベルトレーが、同じ日に(違う球場で)サイクル安打を達成している。

 ちなみに、今月上旬に3者以上の連続ホームランが3日続いた時、大谷はその初日の3人目だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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