NY屋内マスク義務が今日から解除。人々はマスクを外した?街の様子は?
ニューヨーク州では10日より、屋内飲食店や小売店などで、マスクの着用義務がなくなった。
着用義務化は、感染が急拡大していた昨年12月半ばより再び導入されていたが、10日に期限を迎えるにあたり、新規感染者数や重症による入院患者数の減少を踏まえ、ホークル州知事が専門家らと意見交換をし、着用義務の方針に関して更新しない判断をしたという。
「パンデミックの新たなフェーズだ」。知事は9日の記者会見でこのように述べながら、協力店に感謝の意を表明した。
ただし、今後も経営者の裁量や店の方針によって、客に着用義務を求めることはできる。また地下鉄やバスなど公共交通機関、空港、医療機関や介護施設、学校、ホームレスシェルターなどでは引き続きマスク着用義務化が継続される。
実際に10日の街の様子を見に行った。
屋外を歩いている人では、マスクを着用している人としていない人は半々で、昨日までの光景と何ら変わりない。
近所の公園のバスケットボールコートでは、ティーンと思しき若者が5対5のバスケをしていた。10人のうち2人はまったくマスクをしていなかったが、8人はマスクを顎に引っ掛けたままプレーをしていた。
小売店に行ってみると、多くの店頭に依然としてマスク着用を求める張り紙がされたままだった。また客もほとんどがマスクを着用していた。
この2年間ですっかりマスク着用に慣れてしまった感があるニューヨーカーだが、街の人に話を聞くと、今後も念のためしばらくは屋内でもマスク着用を続けていくだろうと答える声も聞こえてきた。
またホークル知事自身も、同日の記者会見で「パンデミックが終わった訳ではない。脆弱な人々を今後も感染から守らなければならないし、誰もが安全・安心を感じて欲しい。マスクを着用することで安心を感じるならば、引き続き着用を勧める」と述べた。つまりは、今後はマスク着用の判断を、経営者や個人の裁量に任せていくということだ。
過去記事
マスクを取ってもいいよと急に言われても、今度は逆にその無防備さに戸惑うのだろう。大多数の人が清々しい気持ちで「マスクはもういらない」という気持ちになるまで、もう少し時間がかかりそうだ。
広がるマスク着用義務撤廃の動き
マスク着用義務の規制撤廃の動きは、アメリカではこれまで共和党寄りの州で見られてきたが、ここにきてニューヨークやニュージャージー、カリフォルニアなど民主党寄りの州でも広がっている。またイギリスやフランス、北欧などヨーロッパ各国でも同様に、マスク着用義務の規制撤廃の動きが報じられている。
ただし米ホワイトハウスやCDCは、引き続きマスク着用を推奨している。
マスクやワクチン義務化に関する過去記事
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(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止