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トランプ官僚人事 司法長官候補が17歳少女への性的違法行為の疑惑で辞退 #専門家のまとめ

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
今月14日、マーララゴでの米第一政策研究所主催の祝賀会に出席していたゲーツ氏。(写真:ロイター/アフロ)

トランプ次期大統領による第二次政権の官僚人事が発表されていますが、荒れ気味となっています。

トランプ氏が司法長官への起用を発表していたマット・ゲーツ前下院議員(Matt Gaetz, 42)ですが、7年前に当時17歳だった少女への性的違法行為や薬物使用の疑惑が浮上し、騒動になっていました。

それでもゲーツ氏は疑惑を否定してきましたが、21日ついに指名を辞退すると発表しました。

ココがポイント

米下院倫理委員会で女性2人が、トランプ次期大統領が司法長官に指名したマット・ゲーツ元下院議員から「性的行為」の対価を受け取ったと証言したことが分かった。
出典:CNN.co.jp 2024/11/19(火)

トランプ次期米大統領が司法長官に選んだマット・ゲーツ元連邦下院議員に関連する民事訴訟の記録が18日、ハッキングによって流出した。米主要メディアが報じた。ゲーツ氏が2017年に性交渉した当時17歳の女性の証言などが含まれている。
出典:毎日新聞 2024/11/20(水)

ゲーツ氏は全ての疑惑を否定している。トランプ氏も指名を取り下げる考えはないと強気の姿勢だ。
出典:時事通信 2024/11/21(木)

ゲーツ氏は辞退の理由についてSNSに「私の承認をめぐって不当な形で政権移行期の重要な仕事を妨げていることは明らかだ」と投稿しました。

またトランプ氏はSNSに「彼は非常によくやっていたが、彼が尊敬する政権の妨げになりたくなかったのだ。マットにはすばらしい未来がある」と投稿しました。
出典:NHK 2024/11/22(金)

エキスパートの補足・見解

ゲーツ氏のSNSには「(被害者は)17歳だったんですよ…」「幼い子に触れてしまったのよ」「あなたは私がこれまで見た中で最も言い訳がましい人間」「性暴力や小児性愛に関する法律が真剣に施行(罰則が強化)されるべき」などという非難の声が多数寄せられています。

それでもゲーツ氏は疑惑を否定し、トランプ氏も指名の取り下げはないと強気の姿勢を見せていた中で、指名辞退の発表は急転直下でした。

この辞退を受け、トランプ氏は2011年から19年までフロリダ州の司法長官を務めたパム・ボンディ氏を同職に指名したことが伝えられています。(ロイター

トランプ氏は官僚人事を慎重に選ぶべきだったでしょう。なぜなら第一次政権で閣僚の交代が相次いだため、来たる第二次政権で安定した政権をどう作っていくかが課題になっているからです。

トランプ氏による人事と言えばほかにも、政府効率化省のトップにイーロン・マスク氏を起用し、こちらも話題となっています。また報道官には史上最年少のキャロライン・レビット氏(27)が選ばれています。

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ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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