世界遺産まで徒歩1分!女将手作りの豪華な食事と源泉かけ流しの薬湯で癒される温泉民宿
旅行・グルメ・おでかけライターのsatochinです。今回紹介するのは、日本最古の温泉地として栄えてきた和歌山県・湯の峰温泉にある「やまね」。温泉を使った女将手作りの料理とかけ流しの温泉、そして親戚のお宅にお邪魔しているようなアットホームな雰囲気が魅力の温泉民宿です。
世界遺産に登録された「つぼ湯」まで徒歩1分
和歌山県田辺市本宮町にある湯の峰温泉は、約1800年前に発見されたという日本最古の温泉。古くから熊野詣の旅人たちの疲れを癒し、平安時代から奥熊野の「薬湯」として知られていました。
湯の峰温泉までJR西日本紀勢本線の紀伊田辺駅から路線バスで110分。車でアクセスする場合は阪和道・上富田ICから約60分。川沿いの山道の先にある昔ながらの湯治場の雰囲気が残る秘湯の温泉街です。
街の中心にある岩風呂「つぼ湯」は、参詣道の一部として世界遺産に登録されています。今回紹介する温泉民宿やまねは、そのつぼ湯から歩いて1分の場所にあります。
つぼ湯に関してはこちらの記事を参照ください。
部屋数5・最大13名までのアット―ホームな民宿
温泉民宿やまねの客室は5部屋のみ。最大収容人数は13名という小さな民宿です。
入口には大きな藤棚があり、玄関を入ると自宅の茶の間のようなお部屋が共有スペース。ここでチェックイン手続きなどを行います。
明るくて元気な女将さんと優しく人当たりのいいご主人、そして笑顔にドキドキしてしまう美人の娘さん。家族ぐるみのあたたかいおもてなしが評判の、ネットのクチコミでも高評価の宿です。
古いけれど掃除の行き届いているお部屋
宿泊したのは2人用の4.5畳のお部屋。民宿ですが既にお布団は敷いてありました。民宿ってお布団は自分で敷くところが多いですよね。
テレビにエアコンも完備されていて快適。お部屋もきれいに掃除されていて、畳の上を裸足で歩くのが気持ちいい!
浴衣に羽織、バスタオル、フェイスタオル、歯磨きセットと、アメニティは揃っています。
お茶にお着き菓子としてカントリーマアムがありました。これまた、親戚の家っぽい。
トイレや洗面所は共同。民宿ですからね。
源泉かけ流しの温泉
お風呂は渡り廊下を通って別棟にあります。温泉の温度が高いので若干の加水、衛生面で塩素による消毒をしていると書いてありましたが、浴槽内には硫化水素臭が漂い、貼り紙を見るまで塩素の匂いに気づきませんでした。
「え?塩素入ってるの?」と逆に驚いたくらいです。
湯口からはジャンジャンお湯が湯船に流れ込んできます。「最初は表面が熱くなっているから、湯かき棒でかき混ぜてから入ってね」と女将さんに言われたのですが、かき混ぜただけじゃ到底入れる温度にならず、結局少しお水を足してお湯に入りました。
泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉。肌触りはゆるんとやわらか。若干のツルツル感。熱いのだけど、しばらく休むとまた入りたくなり、いつまでたっても出られない。クチコミで温泉を絶賛していた人がいたのも納得です。
お風呂上りは体の芯から温まっていて、部屋に戻ったら暖房消して窓開けたくらい。1時間くらいホカホカしてました。
すべて女将手作り!海の幸、山の幸に舌づつみ
ボリューム満点の夕ご飯
お待ちかねの夕ご飯。テーブルにずらりとご馳走が並んでいます。すべて手作りとの事。
鮎の塩焼きに添えられているのは「じゃばら」。漢字で書くと邪払、強烈な酸味と苦味が邪を払う、和歌山県から門外不出として育てられていた幻の柑橘です。香ばしく焼いた鮎に果汁をしぼって食べると、酸味も苦味も気になりません。むしろ爽やか。体の中の邪気が祓われた気がします。
茶碗蒸しの中の具は、なんと梅干しだけ!梅干しの酸味が卵に溶け込んで、酸っぱさは消えて、ほのかに甘さを感じられるようになっていたのには驚きです!
生ハムでクリームチーズとミニトマトを包んだ一品は、ソースがわりに梅酢がかかっています。洋風のメニューもワザあり!
豚の角煮、大根の煮物、巾着玉子、ラッキョウのお漬物、どれも口にいれるたび、「うんうん」と頷いてしまいます。定番だけど期待を裏切らない味。「そうそう、これこれ、この味を待っていたんだよ」と、思わず頷いちゃうんでしょうね。
揚げたての天ぷらも出てきました。パプリカも畑でとれたものだそうですよ。
鍋もお刺身も、もちろんおいしいのだけど、一番感動したのがご飯!
思わず「うんまっ!」と声が出てしまいました。ふっくらと炊かれたご飯は、べたつかず、噛むとお米の甘さが広がります。なんと、温泉で炊いたご飯なんですって!さっき入ったあの温泉にこんな効果があったなんて!3杯も食べちゃいました。ただの白米なのに。
台所の蛇口から温泉が出ているので、料理には温泉を使っているのだそうです。
デザートはせとか。ゼリーのような果肉とジュースのように甘い果汁に大満足。
ご飯がすすむおかずが並ぶ朝ご飯
朝もこれぞ日本の朝ご飯というお惣菜がテーブルに並んでいました。
魚は秋刀魚の一夜干し。なますの中には那須勝浦の鰹も入っています。金山寺味噌ももちろん女将の手作り。昆布は大阪から取り寄せているそうですが、これがまた白米泥棒。
菊芋のきんぴらは体の中から健康になりそう。
今回一番気に入ったのがお味噌汁。自宅でとれた柚子の皮を使っています。これだけ大きい皮が入っているのに、全然味噌汁の味を邪魔していない!試しに皮だけ食べてもツンとこない。マイルドだわ。
実は柚子ポン酢にしたそうで、それも食べてみたい。
食事の後はコーヒー。「温泉コーヒーよ」というので、ワクワクして行ったら、粉のインスタントコーヒー。家では毎回豆から挽いたコーヒーを飲んでいるので、ちょっぴりガッカリ気分で飲んだら、これがインスタントとは思えないおいしさで、またまたビックリ!なんで?
夕食と朝食が宿泊者の胃袋をガッツリつかんじゃいます。リピーターが多いのもわかります。関西に住んでいたらヤバいです。通っちゃいそうです。
※食事のメニューは季節で変わります。
熊野観光で温泉もグルメも楽しみたいという人にオススメの宿です。
温泉民宿やまね
住所 和歌山県田辺市本宮町湯の峯171
電話番号 0735-42-0113
公式ホームページ 温泉民宿やまね(外部リンク)