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東京につながる道を切り開く! リオ予選に挑む車いすの日本代表

瀬長あすか障がい者スポーツライター/健康系編集ライター
2014アジアパラで韓国を圧倒しアジア王者に輝いたウィルチェアーラグビー日本代表(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

日本ウィルチェアーラグビー連盟は18日、2016年リオパラリンピックの地区予選を兼ねた「三菱商事 2015IWRFアジア・オセアニア チャンピオンシップ」(10月29日〜11月1日/千葉ポートアリーナ)のメンバーを発表し、世界トップレベルのスピードが持ち味の池崎大輔(北海道Big Dippers)、前回大会でベストプレイヤー賞に輝いたローポインターの若山英史(横濱義塾)、会場になる千葉市職員の官野一彦(RIZE)ら12人が選出された。

リオのメダルを見据える! ウィルチェアーラグビーのリオ予選

日本は現在、世界ランキング4位。リオのメダル獲得を見据えて予選に臨む。荻野晃一ヘッドコーチは「8月に米国遠征を行い、ひとりひとりにフィジカル面の強化が必要だと痛感した。このままではリオのメダルは手に届かない。リオ予選では、今年のテーマであるセカンドライン、サードラインのさらなる強化を進める」と話しており、選手選考はラインの優先順位を考えたチーム構成とした。

“タフなラグビー”をスローガンに掲げる。10月12日に始まるワールドウィルチェアーラグビーチャレンジ(英国)に出場し、その直後に自国開催のリオ予選を戦う。世界ランキング的にも格下と見られる韓国、ニュージーランドに確実に勝利すれば、リオ行きは間違いない。タイトな日程で鍛錬を続けながら、本戦のメダル獲得に向けて突き進む。

激戦必至! 車椅子バスケットボールのリオ予選

ウィルチェアーラグビーより先にリオ切符を手にしたいのが車椅子バスケットボール男女の日本代表だ。「三菱電機2015IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」(10月10日〜17日/千葉ポートアリーナ)も、リオの地区予選になる。

今月初めに日本代表のメンバー発表があり、男子は日本のセンターで大黒柱の藤本怜央(宮城MAX)、ドイツリーグでプレーするプロ選手の香西宏昭(NO EXCUSE)、最年少の鳥海連志(佐世保WBC)らが、女子はエース網本麻里(カクテル)、ベテラン上村知佳(ELFIN)らそれぞれ12人がメンバー入り。

男子日本代表の及川晋平ヘッドコーチは、チーム構成のポイントとして、16歳の鳥海を選出した。「大会中に成長する若手を入れることで、周りも刺激され、チームの成長につながる」と期待を込める。両下肢切断で機動力の高い鳥海がチームにどんな影響をもたらすか、注目したい。

12ヵ国出場の男子は2つの予選プールに分かれ、日本はで中国、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、タイ、韓国と対戦。各プールの上位4チームが決勝トーナメントに進出し、3位以内の国にリオ切符が与えられる。3ヵ国出場の女子は、1枚のリオ切符を争うため、決勝進出が絶対条件だ。

負ければ、リオパラリンピックに出場できない。リオの舞台を経験することが、東京大会での飛躍につながる。車いすの日本代表に注目が集まる。

障がい者スポーツライター/健康系編集ライター

1980年、東京都江東区生まれ。大学時代に毎日新聞で記事を書き、記者活動を開始。2003年に見たブラインドサッカーに魅了され、2004年のアテネパラリンピックから本格的に障がい者スポーツ取材をスタート。以後、パラリンピックや世界選手権、国内のリーグ戦などに継続的に足を運び、そのスポーツとしての魅力を発信している。一方で、健康関連情報のエディター&ライターとして、フィットネスクラブの会報誌、健康雑誌などに携わる活動も。現場主義をモットーに、国内外の現場を駆け回っている。

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