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NY・ホットドッグ早食いで須藤美貴さんが新記録。女性2位は日本人ユーチューバー!

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
手前右が須藤さん、左が「えびまよ」こと海老原さん。(写真:REX/アフロ)

ニューヨークのブルックリンで毎年開催されているホットドッグ早食い大会で、今年も日本人や日系人が大活躍する姿が見られた。

女性部門では、今年も須藤美貴(Miki Sudo)さんが10回目の優勝を果たした。昨年の39.5個を大きく上回る51個を平らげ、女性部門で世界新記録を樹立したと米メディアが報じた。

2位も昨年に続き海老原まよいさんで、記録は37個だった。海老原さんは「えびまよ」という名で、大食いチャレンジを自身のYouTubeチャンネルで発信している。

男性の部では、58個を平らげたパトリック・バートレッティ(Patrick Bertoletti)さんが新王者に輝いた。

男性の部の優勝者、バートレッティさん。
男性の部の優勝者、バートレッティさん。写真:REX/アフロ

この大会は、当地発のホットドッグの老舗、ネイサンズ・フェイマス(Nathan's Famous)がアメリカの独立記念日(7/4)に毎年主催している。出場者は10分間で食べたホットドッグの数を競う。

写真:REX/アフロ

今年の男性部門は、2007年から昨年まで(2015年を除く)16大会を制し、最多76個の記録がある絶対王者、ジョーイ・チェスナット(Joey Chestnut)さんの不在など一悶着あった。

大会の顔となったスター選手のチェスナットさんがこの試合に出場することで、昨年は20万ドル(約3200万円)が支払われたと、地元紙のニューヨークポストは報じている。また今後は4年間で120万ドル(約1億9400万円)の契約を提示されていたようだ。

だがチェスナットさんが新たにプラントベース(植物由来)の食品を製造・販売するインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)と契約を結んだことから、大会主催側のネイサンズとの間に亀裂が入ってしまったという。

消費者の健康志向が高まるアメリカでは近年、ハンバーグやソーセージの代替品としてプラントベースの食品(代替肉)が注目され、高級スーパーでも専用コーナーが設けられるようになった。さらに大きな成長が予想され、年間成長率は2030年までの7年間で23.9%アップが見込まれている。

そんな中、代替ホットドッグを扱う同社をライバル視するネイサンズが、チェスナットさんの新たな提携に難色を示し、出場を拒否した。

インポッシブル・フーズが手がける、植物由来のポークが使われたハンバーガー。健康志向の高まりと共に、注目されている。筆者も食べたことがあるが本物の肉と遜色ない美味しさ。
インポッシブル・フーズが手がける、植物由来のポークが使われたハンバーガー。健康志向の高まりと共に、注目されている。筆者も食べたことがあるが本物の肉と遜色ない美味しさ。写真:ロイター/アフロ

ただしチェスナットさんはビーガンになったわけではなく、参加権を失ったネイサンズの大会に出場する替わりに、今年はテキサス州で開かれた別のホットドッグ早食い大会に出場を決めた。

また9/2のレイバーデー(アメリカの主要ホリデーの一つ)には、日本人フードファイターの小林尊さん(ネイサンズの大会で2006年まで5年連続の優勝者)とNetflixの生番組「Chestnut vs. Kobayashi: Unfinished Beef」で再対決することが決まっている。

これまでネイサンズの大会で競い合った(左から)小林さんとチェスナットさん。写真は2008年。この時はチェスナットさんが勝った。
これまでネイサンズの大会で競い合った(左から)小林さんとチェスナットさん。写真は2008年。この時はチェスナットさんが勝った。写真:ロイター/アフロ

ネイサンズの大会以外でも闘ってきた2人は、互いを強力なライバルとして見ていると報じられている。小林さんがネイサンズの大会に最後に出場したのは2009年。この時はチェスナットさんが制した。Netflixの早食い大会は、2人の因縁の対決になりそうだ。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

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ネイサンズの早食い大会の様子(スポーツ専門ケーブルテレビ、ESPNで生中継)

女性部門

圧倒的な強さを見せた須藤さん。2位の海老原さんは試合終了後、感極まる姿も。

男性部門

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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