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江戸料理を頂ける和食レストラン「奈美路や」で豆腐料理を実食してみた

濱田浩一郎歴史家・作家

東京駅から徒歩で約6分のところに、江戸料理を頂ける「和食レストラン」があります。それが、「奈美路や」(東京都中央区日本橋1ー4ー1 コレド日本橋店 4F)です。

同店HPによると「先人がお出汁や食材から季節を感じたように、化学調味料を使わずに当時の調理法を活かし、海や山の恵みといえる素材本来の旨味をひき出したさまざまな料理をご用意しています」とのこと。

私は、ランチの時間帯(11時頃)にお伺いしたのですが、注文したお料理は「奈美路揚げ膳」(1300円)です。厚揚げがメインの料理ですが、それは、江戸時代後期に刊行された『豆腐百珍』(天明2年=1782年)という豆腐料理のレシピ本を参考にして、作られているようです。

揚げたて厚揚げ豆腐
揚げたて厚揚げ豆腐

メニュー表の「奈美路揚げ膳」のところには「豆腐百珍二八」とあります。『豆腐百珍』の二八の項目を見ると「通品」(一般的に販売されているもの)として「油揚とうふ」とあります。

奈美路やでは、丹念に作られた豆腐が、注文があってから、丁寧に揚げられるとのこと。鰹節が付いていて、それに醤油をかけて、厚揚げに付けて頂くようになっています。

早速、厚揚げを頂いてみると、カリカリ感が凄い。これまで、厚揚げは好きで何度も食べてきましたが、一番、カリカリして美味しいものでした。こんなにカリカリした食感の厚揚げを頂いたのは、私は初めてです(豆腐は、柔らかくて、これまた美味)。熱々の状態で提供されるので、豆腐をフーフー言いながら頂きます。

「奈美路揚げ膳」には「浦里」という江戸料理も付いてきます。大根おろしと梅干しをすり潰した料理で「遊里吉原の朝帰りの一品」とのこと。

江戸料理・浦里
江戸料理・浦里

「奈美路や」では「江戸三昧コース」(7700円)や「豆腐百珍コース」(5500円)などのコース料理もあります。江戸時代の料理に興味のある方は、こうしたコース料理を注文してみるのも良いでしょう。

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

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