メジャー3年目・菊池雄星の才能が開花? 指揮官も称賛する6月の活躍ぶりとは
メジャー3年目を迎えているシアトル・マリナーズの菊池雄星が、ついにその才能をメジャーリーグの舞台でも開花させている。
6月は4試合に先発登板して、2勝0敗、防御率1.90。アメリカン・リーグで6月の月間防御率が2.00を下回ったのは3投手しかいない。
アメリカン・リーグ6月月間防御率トップ5
1位:ショーン・マネイア(アスレチックス)1.13
2位:カイル・ギブソン(レンジャーズ)1.52
3位:菊池雄星(マリナーズ)1.90
4位:コール・アービン(アスレチックス)2.64
5位:ダラス・カイケル(ホワイトソックス)2.70
6月5日のロサンゼルス・エンゼルス戦では4回4失点で降板した菊池だが、その後の3試合は全て1失点以下に抑えている。
イニング当たりに許した走者数(被安打と与四球を足した数)を示すWHIPは、6月は1.06でこちらもリーグ7位にランクインする優秀な数字。月間被打率は.181で、こちらはマネイアに次ぐア・リーグ2位だ。
アメリカン・リーグ6月月間被打率トップ5
1位:ショーン・マネイア(アスレチックス).181
2位:菊池雄星(マリナーズ).181
3位:タイラー・グラスノー(レイズ).200
4位:ホゼ・ウルキディ(アストロズ).208
5位:ゲリット・コール(ヤンキース).214
月間奪三振率9.89はリーグ6位で、昨季の奪三振王シェーン・ビーバーの9.64を上回っている。
マリナーズのピート・ウッドワース投手コーチが「4シームがとても良くなってきている」と言うように、菊池の4シームの平均球速は95.6マイル(約153.9キロ)で、大谷翔平の4シームの平均球速95.4マイル(約153.5キロ)よりも速い。
菊池の月間防御率を見てみると、4月は4.40、5月が3.38、6月は1.90とシーズンが進むごとに明らかに良くなっている。
7月最初の登板となった1日(日本時間2日)のトロント・ブルージェイズ戦でも、7回1失点の好投で、今季6勝目を挙げた。
ウッドワース・コーチはここ最近の菊池の働きを「エースに相応しい」と語り、スコット・サーバイス監督も「リーグでトップクラスの左腕」と称賛する。
アメリカン・リーグでトップクラスの左腕は、オークランド・アスレチックスのショーン・マネイアや、韓国出身でブルージェイズでプレーする柳賢振、サイ・ヤング賞の受賞経験があるシカゴ・ホワイトソックスのダラス・カイケル、カイケルの同僚で今季防御率がリーグ2位のカルロス・ロドンらがいるが、ここ最近の菊池は彼らと同じレベルの投球をしている。
6月25日(日本時間26日)のホワイトソックス戦では、その時点では防御率がリーグ1位だったロドンとの投げ合いを制して、「ロドンはトップの左投手。そこに対する思いもありましたし、粘り強く投げられて、個人的にもすごく嬉しい」と胸を張った。
7月1日のブルージェイズ戦は、柳との日韓最強左腕対決となったが、柳との投げ合いにも勝ち、自らの手でリーグ・トップクラスの左腕に相応しいことを証明してみせた。
これで今季のクオリティースタートの回数を11度としたが、これはアメリカン・リーグで3位タイの数字で、トップタイのゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)を1個差で追っている。
また、敵地での試合では4勝1敗、リーグ3位の防御率2.68とアウェイゲームで強さを発揮している。
メジャーへ移籍した2018年のオフにマリナーズと4年総額5600万ドル(約62億4770万円)の大型契約を手にしたが、3年目にしてようやく年俸に値する活躍をみせている。