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3、4月はここまで24試合で17長打の大谷翔平。4月は残り8試合で、記録をどこまで伸ばせる?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
ここまで17本の長打を放っているドジャースの大谷翔平(写真:三尾圭)

 3月と4月はここまでチームの全24試合に先発出場して、MLB1位となる17本の長打を放っているロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。17長打の内訳は本塁打が5本(ナショナル・リーグ9位タイ)、二塁打がMLBトップの11本、そして三塁打も1本(ナ・リーグ6位タイ)となっている。

 メジャーリーグでは月間成績を表すときに、レギュラーシーズンの試合数が少ない3月と10月は、それぞれ4月と9月にくっつける慣習があるが、3、4月の歴代最多長打は2000年にカンザスシティ・ロイヤルズのジャーメイン・ダイが打ち立てた23本(12二塁打、11本塁打)である。
 今年、ドジャースは韓国で開幕戦を迎えるという変則スケジュールだったこともあり、3月に異例の6試合も戦っている。その結果、3月と4月の合計試合数は32試合で、大谷にとって3、4月の月間歴代記録を更新するチャンスである。
 ダイがメジャー歴代記録を作った2000年は、まだ4月に入ってから開幕を迎えており、3月の試合はゼロで、ダイは25試合で23本の長打を記録した。

 大谷の17長打は歴代61位タイにランクインしており、18本目を打てば30位タイ、19本目で12位タイへと浮上していく。
 これまでに3、4月に20本以上の長打を放った選手は10人だけで、11度の記録全てが1996年以降に作られたものだ。唯一、記録を2度達成しているのはアレックス・ロドリゲスで、シアトル・マリナーズに所属していた1998年(20本)とニューヨーク・ヤンキースでプレーした2007年(21本)の2回、20本の大台を超えた。
 ドジャースの球団記録は2019年にコディ・ベリンジャーが31試合で放った21本。大谷にとって、まず超えるべき記録はベリンジャーが持つ21長打となる。
 ちなにみ、3、4月に21本の長打を放ったケースは2007年のAロッドと、19年のベリンジャーの2度だけだが、2選手ともにそのシーズンは絶好調を維持してシーズンのMVPを獲得している。

 4月の残り8試合の内訳は、首都ワシントンDCのナショナルズ・パークとトロントのロジャーズ・センターで3試合ずつ、そしてアリゾナのチェイス・フィールドで2試合が組まれている。
 球場の特性を表す『パーク・ファクター』を見てみよう。パーク・ファクターとは、その球場で特定のプレーが起こる頻度を数値化したもの。例えば二塁打のパーク・ファクター(PF)が130の場合、平均に比べて二塁打が3割増で出やすい球場となる。
 今季のナショナルズ・パークは左打者にとって二塁打(PF136)が出やすい反面、ホームラン(PF64)を打つのは難しい。外野が広いロジャーズ・センターでは、左打者は他球場の2倍以上の割合で二塁打(PF222)を打っている。右打者に有利なチェイス・フィールドは左打者がホームラン(PF57)を打つ確率が他球場の半分近くまで下がるが、広角に打球を打てる大谷が左方向へ流し打ちできれば、長打も期待できそうだ。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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