Yahoo!ニュース

Nintendo Switch後継機、8月末に発表で4月以降に発売?米国価格は349~499ドルか

多根清史アニメライター/ゲームライター
(写真:Splash/アフロ)

Nintendo Switch後継機種、通称スイッチ2(仮)の発表時期がいつとなり、発売はどのタイミングとなるのか。現行モデルよりも大幅に性能がアップするのは確実(8年ぶりだけに当然です)であり、マルチプラットフォームのAAAタイトル移植も現実味を増しているだけに、PS5 Pro(仮)投入を控えるソニーも戦々恐々としている最中かもしれません。

また任天堂・古川社長の発言からも、発売は2025年4月以降になる可能性が高いと分かっています。スイッチ2には「発表」と「発売」という重要なポイントが2つあり、それぞれゲーム業界に衝撃を走らせることでしょう。

その発表は8月末、発売は早くて2025年4月だとゲーム業界の情報通らが主張しています。

まず発売時期については、ゲームメディアGamesIndustry.biz のChris Dring編集長が「私が話した開発者は誰も、今会計年度に発売するとは思っていない。実際、今会計年度内の発売を期待しないように言われている」と語っています

別メディアのEurogamerも裏付けを取ったとして、最も早い発売時期は2025年4月になると強調している次第です

任天堂は大成功した現行スイッチの「2016年10月に製品名とともに据え置き/携帯ゲーム機のハイブリッドだと鮮やかに発表、翌年3月に発売」とのパターンを踏まえるかと思われましたが、そこから外れることはほぼ確定したようです。

かたや発表時期は、ブラジルのジャーナリストPedro Henrique Lutti Lippe(通称PH)氏が「任天堂がスイッチ2の発表計画を前倒しにした」と報告。具体的には8月になる可能性が高いと述べています。

このPH氏は今年初め、任天堂がスイッチ2の発売延期をサードパーティーに説明したと報じた人物です。当時はEurogamerのほかVGCといったゲームメディアも別の情報源から確認を取っており、それ以降は信頼性が高い識者として注目を集めていました。

スイッチ2が今月末に発表され、4月以降に発売となれば、8か月以上も間延びすることになります。とはいえ、現行モデルの開発コード名「NX」が発表されたのが2015年3月、それから2年後に発売されたのと比べれば、任天堂としては「アリ」という判断かもしれません。

現行スイッチに参入しなかったことを後悔した大手サードパーティが、スイッチ2向けにAAAタイトルの準備を始めている気配は先日もお伝えした通りです

それに続き、少し前に炎上的な意味で盛り上がっていた超大作『アサシン クリード シャドウズ』がスイッチ2発売から間を置かず登場するとの有力情報もあります

そうした利害をともにする関係者がスイッチ発売当時より多いこともあり、そろそろ任天堂が公式発表に踏み切ってもおかしくないでしょう。

米国価格は499ドル、ただし日本価格は1ドル=110円レートもありうる?

写真:つのだよしお/アフロ

かなり発売時期は絞り込まれてきたとして、次の焦点は「おいくらになるか」でしょう。これにつき、複数の海外メディアが参照しているのが東洋証券アナリスト・安田秀樹氏の連載記事です

ソースが「各種報道からすると」ともあり、独自の情報源はないようです(あっても「ある」とは言わないでしょう)。注目されているのが、「ドルベースでは比較的安め(499ドル以下?)」という予想です。

光学ドライブ付きのPS5が499ドル、ディスクなしのXbox Series X(1TB)が349.99ドルであり、携帯+据え置きのハイブリッド機としては妥当……というのは少し無理がある気もします。初代スイッチは299.99ドル、有機ELモデルは349.99ドルであり、他社よりも「安さ」を強みにしてきたことは明らかです。

スイッチ2の価格は諸説ありますが、総合すると「最も安いモデルは400ドル」といったところです。たとえばコーエーテクモの内部情報に詳しいリーカーSoldierDeltaは、通常モデル(ROMカートリッジ対応)の米国価格は449ドル、ダウンロード専用モデルは400ドルと予想していました

またスイッチ2の予想性能から逆算して、399~499ドルになる可能性が高く、349ドルでも利益が出るとの試算もありました

ただ、極論すれば米国価格がいくらになろうが、日本向け価格にド直球に反映されるわけではないでしょう。初代スイッチの希望小売価格は3万2978円、有機ELモデルは3万7980円ですが、上の米国価格に照らせば、1ドル108円~110円レートになってしまいます。

つまり「スイッチ2の米国価格が500ドルになる」と「日本価格が5万円前後になる」は矛盾しないはず。ファミリー向け(1つの家庭に何台も売る的な)を強く意識している任天堂が、国内で7万円以上に設定するのは考えにくいのではないでしょうか。

余談ですが、Bloombergの望月記者が安田氏の記事を紹介しているツイートに、ビデオゲーム市場調査会社Niko PartnersのアナリストDaniel Ahmad氏が「全てのコースとDLCを『マリオカート8 デラックス ウルトラエクストリーム』にまとめるのに時間がかかってるから(スイッチ2の発売が)遅れてると聞いたよ」とレスしているのが面白かったです。

9割方ジョークだと思いますが、ダサいネーミング含めて本当だったらどうしましょう。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

多根清史の最近の記事