きょうから大麻の使用が犯罪に…何がどう変わる? #専門家のまとめ
きょうから大麻の使用が「麻薬施用罪」として処罰の対象になります。学生ら若年層による濫用が社会問題化する中、改正法の施行に基づく措置です。規制緩和の流れに逆行するとしてネット上では賛否両論ありますが、一方で医療用大麻の解禁も併せて行われます。何がどう変わるのか、改正のポイントについて理解の参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
これまで大麻は栽培や密輸のほか所持罪がメインであり、捜索で現物が発見されるか否かが重要でした。使用を処罰できなかったからです。
もっとも、「物なし」事件が野放しだったわけではありません。規制薬物の蔓延防止のために麻薬特例法に特別な犯罪が設けられているので、これで立件されてきました。大麻の譲り受けや所持といった薬物犯罪を行う意思に基づいて何らかの物品を規制薬物として譲り受けるなどすれば、それが偽物であろうと現物が残ってなかろうと処罰できるというものです。
税関検査で発見された規制薬物を偽物とすり替えて配達させ、受取人を検挙する「泳がせ捜査」のための規定でしたが、「苦肉の策」として「物なし」事件に適用されてきました。例えば、日大アメフト部を巡る薬物事件でも、大麻の現物が残っていなかった部員やOBらはこの麻薬特例法違反で芋づる式に検挙されています。
ただし、現物がない分だけ、刑罰は懲役2年以下と軽くなっています。そこで今後は、尿検査に基づく施用罪での立件が増えるはずです。麻薬特例法違反ではなく麻薬取締法違反となり、最高で懲役7年と格段に罪が重くなるので、注意を要します。(了)