Yahoo!ニュース

PS5 Pro(仮)、9月に「PlayStation Showcase」を開催して発表かも

多根清史アニメライター/ゲームライター
Image:PlayStation

ソニーがPlayStation 5を発売したのが、2020年11月のこと。すでに3年半以上が経過しましたが、これはPS4の発売(2013年11月)からPS4 Pro登場(2016年11月)を超える歳月です。

そんなわけでPS5の強化型モデル、通称「PS5 Pro」が2024年内に発表・発売される可能性が高まっていることは、以前もお伝えした通りです。その発表の舞台として選ばれる候補は、1つには東京ゲームショウ2024。ソニーがTGS(略称)に出展するのは実に5年ぶりであり、新ハードのお披露目の場に相応しいということです。

もう1つの候補に上っているのが、ソニーが今年まだ行っていないネット番組「PlayStation Showcase」です。

これは主にファーストパーティPlaystation StudiosのAAAタイトルを発表するほか、新ハードウェアを初公開する大規模なイベントとなっています。実際、PS5リモートプレイ専用機Playstation Portal(当時は「Project Q」)も、昨年のShowcaseで姿を現していました

さてゲーム業界アナリストのウィリアム・R・アギラール氏の信頼できる情報源によれば、ソニーは9月にShowcaseを行う予定とのこと

毎年、同時期にはもう1つのネット番組「State of Play」も放送されたりしますが、そちらは発表済みタイトルの最新情報を届けるもので、ひとことで言えばショボい。つまり「State of Play」ではなく「Showcase」であれば、PS5 Pro関連の見込みがグッと高まるわけです。

さらにアギラール氏はリーク情報がなかったとしても、9割がたShowcaseだと確信しているとして、それは「10の要因が重なるから」と主張しています。その内容がかなり面白いので、抜萃して紹介しておきます。

  • PlayStation(ソニー)は受託者責任により、2025年に発売予定の製品の一部を、来年度が来る前に株主に説明することが求められる。2023年の同じ頃には、2024年発売の『Stellar Blade』や『Helldivers 2』などを告知済みだったが、今年は2025年発売タイトルを何も明かしていない
  • PS5 Proを発表する必要があるが、あまり早い時期に発表するとPS5の売上と共食いになってしまう。第3四半期/ホリデーシーズン(年末商戦)に発売予定で、直前の年内に発表することがベストだ
  • 多くの未公開ファーストパーティタイトルが数年にわたって開発中。ノーティードッグやサンタモニカ、サッカーパンチやインソムニアックなど著名なスタジオが手がけており、ソニーはこれらを最高の状態で披露したいと考えている。よって、発表をPS5 Pro(の発表)まで取っておくのは理にかなっている
  • 今年は初代プレステが発売されてから30周年。記念に何かやりたいはず
  • PS5 Proで動く『Grand Theft Auto VI』を紹介したい
  • PS5はライフサイクルの後半に入ったばかりだが、過去の例からは、来年だけでなく残りの世代をカバーする2~4年後のゲームをいくつか明らかにするのが恒例だった。そのため、大規模なプレゼンテーションを行うことは理に叶っている

超AAAタイトル『GTA Ⅵ』でPS5 Proの実力をアピールか

Image:Rockstar Games
Image:Rockstar Games

この中で特に興味深いのが、PS5 Pro用の「GTAⅥ」(略称)をプレゼンするため、というくだりです。この「GTA Ⅵ」とは世界的人気ゲームシリーズの最新作であり、前作「GTA V」は2013年に発売してから様々なプラットフォームに展開され、販売本数は2億本に達しています。

いち早くPS5版「GTA Ⅵ」の映像を公開し、PS5 Proであればグラフィックもフレームレートも強化される……と世界に向けて発信すれば、ハードウェアの売上増に弾みを付けるばかりか、Nintendo Switchの天下を脅かすこともありうるでしょう。

PS5 Proはもっと早く発売できたはずが、「GTA Ⅵ」の発売に合わせて遅らせたとの噂もあるほどです

もともと「GTA Ⅵ」は2025年に発売予定とアナウンスしたものの、開発が遅れて2026年に延期との噂も立ち始め、その後に「2025年秋に発売」と発表して火消しをしていました。これまでのGTAシリーズの前例からすれば、今回も1年ほどずれ込んでもおかしくなかった感がありますが、ソニーから催促されたのかもしれません。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

多根清史の最近の記事