富士山が噴火したらどなる?どうする?火山灰で埋没した桜島の鳥居が教えてくれること
富士山は噴火するのか?
日本に活火山がどれくらいあるかご存じでしょうか?
実は現在活火山は111あると言われています。もちろん富士山もその一つ、油断しているといつか噴火が起こるかもしれません。最後に大きな噴火が起こったのはいまから約300年前になります。
実際に富士山の噴火の確率はわからないものの、内閣府では富士山をモデルケースに「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」活動などが定期的に行われ、少なくとも政府については富士山噴火の対策と準備を進めていることは事実です。
では過去の富士山噴火はいつだったのでしょうか?
特に大きな噴火としてはこちらになります。
延暦噴火(800〜802年)
貞観噴火(864〜865年):
宝永大噴火(1707年)
それ以降、宝永の大噴火から300年近く富士山は噴火せず沈黙を守っていますが、近年では2012(平成24)年32月に噴気と思われるごく弱い湯気を確認してから4月以降は認められなくなったという事例もあるので全く動きがないとも言えませんね。
さて、こちらは大正時代、1914年も大噴火をした鹿児島の桜島です。
今も噴煙を上げています。(2023年11月撮影)この日は桜島警戒レベル3
レベル3は気象庁の図表がわかりやすいですね。
出典:気象庁ホームページ
というわけで近くまでは行けないように入山規制がかかっています。
大正大噴火は島であった桜島の一部が陸続きになるほど大規模な噴火でした。桜島の噴火の象徴ともいえる「黒神神社の鳥居」噴火の軽石や火山灰などで周辺地域は2メートル以上埋没しました。当時の被害の大きさがうかがえます。
桜島は日常の中で灰などの影響があることや、次の大きな噴火に備えて様々な準備がされています。島の各所にある退避壕
展望台やバス停などに併設されておるものもあり、身近な災害への本気度がわかりますよね。
ちなみに桜島では克灰袋という火山灰を回収する袋が自治体に配られています。自然災害とともに生活している土地ならではですが、私たちも火山灰が降る生活になればこれが必要になってくるかもしれません。
富士山が噴火したらどうなるのか
さて、もし富士山や自分たちの住んでいる近くで噴火が起こった場合の被害は何があるでしょうか?
大きな基本はこの5つです
噴石、火砕流、溶岩流、土石流、火山灰
どれもやっかいですが、噴石は火口から岩や石などが降ってくる現象です、火口近くにいればいるほど危険度は増しますね。
そして火砕流、こちらは噴火により放出された破片状の固体物質と火山(有毒)ガス等が混合状態が地表に沿って流れる現象で時速100キロにもなると言われるかなり危険なものです。
そして溶けた溶岩が(オレンジ色)ゆっくりと地表を流れ来る溶岩流。
土石流は岩石や土砂、倒された樹木、火山灰などが雨や火山で溶けだされた水などと一緒になって流れ下りるもので、被害はかなり遠くまで到達すると言われています。
これらに巻き込まれないように私たちは避難をしなければなりません。特に歩くスピード程度の溶岩と違い、有毒ガスを含む火砕流のスピードはものすごく速く、逃げ切るのは難しいとされています。とにかく回避するため、命を守る避難をしなければなりませんね。
そして一番身近な被害として、少し離れた地域でも想定される危機は噴火の影響で振る火山灰ではないでしょうか?次に火山灰の影響と被害を見ていきましょう。
火山灰の健康被害注意
皮膚への影響
火山灰が皮膚に触れることで炎症が起こる場合がまれにあります。
呼吸器系への影響
大量の火山灰を吸引すると、咳、鼻、喉に不快感を感じる場合があります。気管支炎や喘息。慢性の肺疾患や心疾患がある方は症状が悪化する場合があるので注意が必要です。
目への影響
火山灰によって、目に痛みを伴う角膜障害や結膜炎を起こす場合があります。特にコンタクトレンズを使用している方は注意が必要です。
すぐにできる対策と準備
対策としては不要不急の外出は控え、マスクやゴーグルなどを使用しましょう。またコンタクトレンズの使用は推奨されていません、火山灰が目に入った場合は、目をこすらずに水で洗い流しましょう。
火山灰の被害注意
ライフラインへの影響
2ミリ以上の灰が積もると、浄水場が利用できなくなったり、下水道が詰まるおそれもあります。3ミリ以上積もると、送電設備がショートして停電する可能性もあります。水や電気の備えは必須ですね。
車はスリップ注意、交通機関にも影響
車が出せる速度は1ミリ以上の灰が積もった場合は30キロ程度、10センチ以上で通行できなくなるとされています。火山灰が降っている際には視界も悪くなります。タイヤがスリップして交通事故の危険性も高まります。さらに様々な要因で交通機関がマヒしてしまう可能性もあります。
ちなみに車の振灰した場合はワイパーを動かしてしまうと火山灰でガラスに傷がつく可能性があります。ワイパーを上げてからできれば水圧など高圧洗浄で洗い流すのが車に傷がつきにくい除去方法です。
住宅や建物への影響
7センチから8センチの灰が積もると、体育館のような屋根の大きな建物でも損傷や倒壊のおそれがあります。また、少量の灰でも雨が降ると重くなり雨どいなどがこわれることもあります。
火山灰対策~少しだけ湿らせて除去する
火山灰は大きく濡れると固まって重くなり撤去が非常に難しくなるようです。だからと言って乾燥したままだと粉塵が舞い上がり大変なことになります。少量で降灰が止まった場合、大切な場所や雨どい、排水溝などは少し湿らせて早急に灰を寄せることも、その後の被害を大きくしないコツの様です。
備えと正しい情報を
いかがでしたか?
富士山の噴火や地域の山の噴火は人ごとではないかもしれません。
日頃からの備え(備蓄)やハザードマップのチェックはとても大切です。
そして災害が起こってしまった時は必ず政府の発表やラジオ、ニュースなど信頼のおける情報をもとに行動してくださいね。近所のうわさやSNS等の情報に惑わされないで、、まず、信頼できる情報チェックすることも自分を守る方法です。
資料参考 内閣府
興味のある方は振灰シュミレーションなど内閣府の噴火対策、取り組みも覗いてみて下さいね
大規模噴火時の広域降灰対策について―首都圏における降灰の影響と対策―~富士山噴火をモデルケースに~(報告)(令和2年4月7日公表)