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【南海トラフ地震】被害を8割減らす!危機管理アドバイザーが教える備えと避難

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

南海トラフ地震は、日本で発生が懸念される大規模地震の一つ。特に津波による被害が予想されるため、避難行動の早さと準備が生死を分けることになります。

今回は出来るだけ簡潔にわかりやすく地震発生時の避難のタイミングと必要な防災グッズの選び方についてお伝えします。これを読んで、いざという時にしっかり対応できるように備えてください。

地震発生後、どう行動する?避難のタイミングを見極める

まず、南海トラフ地震が発生したときは、津波警報が発令されることが予想されます。特に海沿いに住んでいる方は、すぐに高台や津波避難タワーに向けて避難を開始しますが2つのタイミングを覚えておくことが重要です。

以下内閣府の資料から照らし合わせながら説明します。

1南海トラフ地震発生後の避難

揺れが収まった直後に、できるだけ速やかに安全な場所へ移動を始めます。津波は揺れの後すぐに発生する可能性が高いため、迷わず避難行動に移りましょう。

津波警報が津波注意報で切り替わったタイミングで次の避難を開始

2南海トラフ地震が発生し、津波警報解除後、後発地震に備える避難

警報解除後、津波警報が解除されたからといって油断は禁物です。浸水想定地域外に避難し、最新の情報を確認しながら行動してください。

南海トラフ地震情報が発表されたら

画像引用:内閣府HP 

もう少し細かく知りたい人は下枠内を参照

津波避難の基本行動
地震発生後、最寄りの津波避難タワーやビル、避難所に避難。
津波警報が出たら、警報が解除されるまで避難を継続。
津波警報解除後に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合は、地域に応じた防災対応が必要。事前避難対象地域の確認は市町村に問い合わせ。
事前避難の対象者:
事前避難対象地域の住民は、津波警報解除後、浸水想定区域外の避難所や知人宅へ移動し、1週間の事前避難を実施。対象地域外の住民でも、地震発生後の避難が間に合わない可能性がある場合は、津波警報解除後に浸水想定区域外へ移動し、1週間の事前避難を実施。

逃げるための準備

防災グッズは軽さが命!推奨される重量目安

避難時に持ち出す防災グッズは、できるだけ軽くまとめることがポイントです。

おすすめの重量目安は、男性は15キロ以内、女性は10キロ以内が理想的。

ライトや防寒、非常食や水などは必要ですが、津波避難はスピードが命であることを考えると、軽いほど良いので事前に中身をチェックして、リュックも一番背負いやすい長さに調節しておいて下さい。

最近、カート式の防災セットも人気ですが「津波」と「水害」には、両手が自由になり、緊急時に素早く動けるリュックがお勧めです。また両方を兼ね備えたものも、便利な反面、取り外しに時間がかかる、背負いにくいなどメリットデメリットがありますので十分に検討してから準備しましょう。

*内閣府推奨の防災チェックリストはこちら

その他必要な物やポイントは別記事でも紹介していますのでご覧ください。
防災グッズだけじゃ足りない!非常時に必須の見落としがちな準備5選
南海トラフが起きたら起こること東京の深夜が46.2度!?巨大地震の過去から学び猛暑と地震に備えよう

南海トラフ地震に備えて被害を8割減らす

南海トラフ地震は特に津波による被害が甚大で、最大で22万4千人もの命が失われる可能性があると言われていますが、早めの避難行動や効果的な津波情報の伝達ができれば、約8割もの被害が軽減されると想定されています。

今回ご紹介した「いつ避難するのか」「何を持ち出すのか」を、ぜひ一度、ご家庭で話し合ってみてください。特に、リュックを使って身軽に逃げることは、津波から命を守るためにも大切です。ただ間に合わない時は命だけ、身一つでも逃げて下さい。

いざという時に慌てず、家族や自分を守るために、今から準備を始めることが一番の備えです。早めの対策が、きっと命をつなぐことになります。

総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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