【津波警報発表】小さな子どもと一緒の避難|南海トラフ地震で自転車避難は有効か考えてみよう!
南海トラフ地震でなくても、大きな地震が発生して津波警報が発表されたら、直ちに高台に避難しなくてはなりません。
そんなときに、安全で確実に避難する方法として「自転車で避難する」ことも視野に入れておきましょう。
今回は「津波の避難には、自転車避難は有効なのか」について、考えていきましょう。
自転車なら小さな子どもをチャイルドシートに乗せて避難できる
それでは、津波から避難する際の逃げ方をイメージしてみましょう。夫は仕事で会社に行っていて留守です。
家で小さな子ども2人と昼食を食べていたときに、突然の地震!その後、津波警報が発表されたので急いで逃げなくてはなりません。
とりあえず貴重品だけ持って子どもを連れて逃げるのですが、徒歩だと小さな子どもを2人抱えて、上り坂を歩いて避難するのはムリがあります。
では、どちらか1人を交代で手をつないで歩くとしたら、子どもの速度に合わすこととなり、迅速な避難はできなくなります。
そこで、自転車利用を考えてみましょう。小さなお子さんがいるほとんどの家庭で、自転車にチャイルドシートが付いているはず。従って、避難時に子どもを自転車のチャイルドシートに乗せて移動すれば、ラクに確実に避難することが可能となります。
自転車が電動アシストでないので坂道は厳しいかも・・
この場合には電動アシスト付の自転車がベストですが、そうでない方は「子どもを2人乗せて、坂道を登るのはムリ」と言われるはず。
でも、本人が自転車に乗り、ペダルをこいで坂道を登る必要はありません。
自転車のチャイルドシートに子どもを乗せて、自分は自転車を押して避難すればよいと思いませんか。そうすれば、小さな子どもと一緒に確実に高台に避難できます。
ただし、津波避難所までの道が階段ばかりなど、全ての避難所までのルートが自転車で利用できるとは限らないでしょう。
それでも、多くの地域で避難所の途中までは自転車利用ができるはず。そのため、電動アシスト付でなくてもママチャリでも、チャイルドシートさえあれば、小さな子どもとの避難には有効といえるでしょう。
高齢者の避難に自転車の活用は始まっている
体力がなく足が不自由なお年寄りも、自転車で避難することが可能です。
現実的に高齢者が避難する際、自転車を活用するアイデアは既に始まっていて、愛媛県松山市では「災害対策用の高機能三輪自転車」が導入されています。
この高機能三輪自転車は津波だけでなく、通常の災害時に歩行に障害のあるお年寄りを乗せて、避難できるアイテムとなっています。
政府も推奨!自転車避難の実証実験が行なわれている
「自転車での避難なんてムリでしょう!」と、言われる方も少なくありません。ですが、現実に2017年5月施行の「自転車活用推進法」の基本方針の一つに「災害時の有効活用体制の整備」が盛り込まれており、政府も災害時の自転車活用を推奨しています。
ただ、どのように使うのが有効なのか実証実験段階であることが、あまり知られていない理由の1つでしょう。
ただ、さまざまな自治体や団体、大学などの研究機関で、災害時の自転車活用の実証実験が行われています。
ノーパンクタイヤ自転車も販売されている
災害時の自転車を使った避難では、タイヤのパンク問題がクローズアップされています。災害時の避難は、ガレキの中の移動も想定する必要があります。
そうなると、普通の自転車のタイヤではパンクしてしまい、逆に身動きが取れなくなる、もしくは転倒してケガを負うリスクがあることが心配されています。
これに対して各自転車メーカーは、パンクしない「ノーパンクタイヤ」を装着した、災害にも強い自転車を販売しています。
命を守る選択に自転車避難も有効になる
南海トラフ地震だけでなく災害時の避難方法は、個人や家庭の事情でさまざまです。ただ、津波から命を守るには、一早く津波の到達区域から脱出しないといけません。
その際には、自動車は絶対にNGであり、徒歩よりも早く移動できるのは自転車やバイクです。ただ、小さな子どもがいる家庭に限れば、チャイルドシート付の自転車が有効になってくるでしょう。
避難所までの移動手段として、自転車避難の検討をおすすめします。