噓をつく子には原因があった!保育士が教える「子どもの嘘との向き合い方」とは
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。
今回は子どもが嘘をつく原因と、その対処方法についてお話ししていきたいと思います。
子どもの嘘はいつから?
皆さんは子どもが嘘をつくことをどのように感じますか?
子どもたちは早ければ3歳頃から嘘が始まります。
「なんでそんなすぐにバレるような嘘をつくの?」と呆れた経験のある方もいるのではないでしょうか。
「子どもの嘘なんて可愛いものだ」と思っていたのに、ある時、突然の悪質な嘘にショックを受けたこともあるかもしれません。
昔は「嘘つきは泥棒の始まりだぞ」なんてことを言って子どもを脅すようなこともありましたが、そのようなやり方では嘘をやめるように促せない現実があります。
そうは言っても、必ずしも嘘をつくことがいけない訳ではありません。
子どもがつく様々な嘘と、その対処方法について見ていきましょう。
嘘には種類がある
"嘘をつく"とは一言で言っても、様々なものがあります。
今回は4つに分類してみました。
・叱られたくないから
・自分を守るため
・空想と現実の区別がついていない
・人を陥れるため
それでは具体的に見ていきましょう。
1 叱られたくないから
これらは、自分の行いであることがバレると叱られると思っているため、それを隠そうとするパターンです。
自分の失敗に対して、「お皿を割ったのは僕じゃないよ」などのようなものが挙げられます。
2 自分を守るため
これらは、子どもが自分のプライドを守るために嘘をつくパターンです。
お漏らしに対して、「これはおしっこじゃなくて水なの!」などのようなものが挙げられます。
3 空想と現実の区別がついていない
これらは、子どもの願望が嘘になって表れているパターンです。
現実にはないのに、「昨日みんなで遊園地に行ったよね」などのようなものが挙げられます。
4 人を陥れるため
これらは、人を騙すことを楽しんでいるパターンです。
「靴なんて知らない。隠したのは僕じゃないよ。」などのようなものが挙げられます。
パターン別の対応とは
では、子どもの嘘に対してどのように関わっていけば良いのでしょうか。
子どもの嘘がどの種類に分類されるのかによって、適切な対応は異なります。
パターンごとに対応を見ていきましょう。
1 叱られたくないから
これは良い嘘だとはあまり言えませんね。
子どもが良くないことをしたら叱るのは当然のことです。
しかし、叱るということは恐怖心を煽って子どもを動かすことであり、それを繰り返していると子どもたちは次第に叱られないために、自分の行いを隠すようになってきます。
そのため、このような嘘については叱ることは逆効果となってしまいます。
こちらは以前の記事、子どもの噓は大人に原因があった!保育士が教える「隠し事を防ぐために親が知っておくべきこと で対応についてご紹介しているので、良ければ参考にしてください。
2 自分を守るためにつく
これは悪い嘘ではないでしょう。
子どもたちにもプライドがあり、それを必死に守るために一生懸命に嘘をつくのです。
ところが、これを叱ったり問い詰めたりしてしまうと、子どもが反発したり自信を無くしてしまったりする原因になりかねません。
「これはおしっこじゃなくて水なの!」などと言われた場合は、「そうか。じゃあどうしようか?」などのように、その思いを受け止めながら本人の意思を尊重して話を聞きながら対応すると良いでしょう。
3 空想と現実の区別がついていない
こちらも2と同様に悪い嘘ではありませんね。
特に4歳前後くらいまでは現実と空想の境が曖昧なため、自分の願望を昨日今日起こったことのように話すことは珍しくありません。
自分の想像を気楽に語れる環境があれば、子どもたちの想像はどんどん広がっていきます。
しかし、これは成長と共に段々となくなっていくものです。
今しか聞けない嘘だと考え、子どもの話をじっくり聞いたり、一緒になって楽しんだりするのが良いでしょう。
4 人を陥れるため
これは絶対にあってはならないことですね。
人を騙すことを楽しむのは嘘ではなく偽りであり、これはそのまま放っておくわけにはいきません。
しかし、これらは叱ったところで多くの場合は反発されて終わってしまいます。
それよりも「あなたは〇〇くんを騙して何がしたいの?」などと落ち着いて話し、本人の目的を聞き出す方が効果的に話せる可能性があるでしょう。
子どもを信頼してみる
ここまで嘘への対応について、パターン別にご紹介してきました。
悪い嘘でなければ楽しんで聞いていられますが、良くない嘘についてはどうしても私たち大人は叱ってしまいがちです。
しかし、そのようにすることで、ますます子どもたちは追い詰められてしまいます。
その結果、さらに嘘をついて逃れるようになるのです。
ここで大切なのは、嘘をついたという事実を指摘することは改善に繋がらないということです。
そのためには、大人が違った方法でアプローチをする必要があります。
適切な対応は"その時""その子ども"によって違いますが、子どもに寄り添うことが時間をかけて解決することにつながると言えるでしょう。
大人が子どもを信頼し、全てを受け入れることで、噓をつくことが子どもにとって段々と心地の悪いものとなっていくのです。
そのため、まずは大人が無条件で全面的に子どもの話を受け入れることが、非常に大切なことなのです。
まとめ
今回は子どもが嘘をつく原因と、その対処方法についてお話ししました。
子どもの嘘にはいくつかの種類があります。
今回はこれらを4つに分けてみました。
1 叱られたくないから
2 自分を守るため
3 空想と現実の区別がついていない
4 人を陥れるため
「あ、嘘をついてるな」と思った時にこそ、一度この中のどれに当てはまるかを考え、子どもとどのように接していくべきかを落ち着いて考えてみるのが良いかもしれません。
そして、子どもが嘘をついた事実を指摘することは、嘘を無くすことにはつながらないということを心に留めておいていただきたいです。
それよりも、子どもに寄り添った対応が子どもたちの良くない嘘を減らしていくことでしょう。
子どもの嘘にお困りの方は、ぜひ試してみてくださいね。