糖尿病の運動療法ってどんなことをするの?【いまさら聞けない糖尿病について、理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
どうして運動療法が必要なの?
運動療法は食事療法と同様に糖尿病治療で大切にされている基本の治療法です。
運動療法のメリットは以下の通りです。
- 運動をすることで、食べ物から摂取したブドウ糖が筋肉にとり込まれやすくなり、血糖値が下がります
- 筋肉が増えることで、インスリンの働きが高まります(2型糖尿病の場合)
- エネルギーの摂取量と消費量のバランスが整い、肥満予防に繋がります
- 高血圧症や脂質異常症(高脂血症)の改善に繋がります
- 血液の循環がよくなり、心肺機能の向上に繋がります
- 加齢や運動不足による筋肉のおとろえや萎縮の予防に繋がります
- 関節や骨が強くなり、骨粗鬆症予防に繋がります
- 年齢相応の筋力や体力の維持・増強に繋がります
- 運動そのものが爽快感・気分向上に繋がり、ストレス解消効果が期待できます
運動療法はいつするの?
まずは継続して取り組むことが大切なので、時間の取れるときに好きなタイミング実施しましょう。
なかでもおすすめのタイミングは、最も血糖値が高くなる時間帯である、食事を食べてから1時間後です。
血糖値が高いときにブドウ糖を消費できる運動を取り入れることで高血糖状態が改善されやすくなります。
頻繁に低血糖発作を起こす方は、食前や空腹時の運動は控えましょう。
おすすめエクササイズ
運動療法は大きくわけて、有酸素運動とレジスタンストレーニングの2種類があります。
うまく組み合わせて取り組んでみましょう。
有酸素運動とは
呼吸を止めずに、ゆったりと、ある程度の時間をかけて行う運動です。全身運動と言われることもあります。
心肺機能の改善や持久力向上、基礎代謝向上に繋がります。
(例)
ウォーキング、ジョギング、エアロビクス、水泳、踏み台昇降、ももあげ、ハーフスクワット など
レジスタンストレーニング(無酸素運動)とは
おもりや抵抗などの負荷に対して瞬発的に動作を行う運動です。
筋力向上や骨粗鬆症予防にも繋がります。
(例)
腹筋、ダンベルエクササイズ、スクワット
まとめ
治療のための運動ということで、厳しい運動をイメージされることもありますが、血糖値を下げるための生活習慣のひとつとして無理なく続けられる内容を選んでみましょう。
「運動療法」は理学療法士の得意とする分野なので、どれくらいの内容にすればいいかわからない、膝の痛みをカバーしながらできるメニューは?など、気軽に尋ねてみてくださいね。