糖尿病の食事療法ってどんなことをするの?【いまさら聞けない糖尿病について、理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
食事療法と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
管理が大変、食事の味がしないなど、1日の楽しみでもある食事の時間に制限がかかるような印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では食事療法のコツや気をつけるポイントについて解説していきます。
食事療法とは
専門職のアドバイスも参考にしながら献立を考え、食事の量や成分を調整することで、病気の改善を目指すものです。
糖尿病だけでなく、心臓病や高血圧症などの方も取り組むことが多いです。
栄養配分の目安
- 炭水化物は総エネルギー量の50〜60%
- タンパク質は総エネルギー量の20%まで
- 脂質は炭水化物・タンパク質の残りの割合
となるように意識しましょう。
その他の注意点
- 食物繊維の多い食品を摂りましょう(1日350g摂れるといいですね)
- うす味を意識し、食塩の摂取を控えましょう(高血圧を伴う場合は1日6g未満)
- アルコールはほどほどにしましょう(1日に缶ビール1本程度)
- 肝疾患など、重い合併症のある場合は禁酒しましょう
摂取カロリーの目安
まずは標準体重を計算しましょう
身長(m)×身長(m)×22
身体活動量を算出しましょう
(例)
事務職・主婦:20〜30kcal
自営業・営業職:30〜35kcal
重労働の人:35kcal
標準体重 × 身体活動量 = 適正エネルギー量
となります。
ここで算出された適正エネルギー量を1日の摂取カロリーの目安としましょう。
食事療法のポイント
食事の時間は規則正しく
1日3食、規則正しく食べるようにしましょう。血糖値のコントロールのためにも間食は控えましょう。
ゆっくり、よく噛んで、腹八分目
食後、満腹感が得られるまでにある程度の時間が必要です。
よく噛むことで食事のペースがゆっくりになり、満腹感を得られながら摂取していくことで、必要以上に食べることを防ぐことができます。
脂質と塩分は控えめに
脂質を多く摂取すると動脈硬化進行のリスクが高くなります。特にコレステロールや飽和脂肪酸が多い食品は控えめにしましょう。
また、塩分の摂取量が多いと、高血圧症につながりやすく、腎症や網膜症をはじめとした合併症が進行しやすくなります。
食塩量の目安は、1日に男性は7.5g、女性は6.5g未満ですが、高血圧を合併する患者さんでは6g未満にすることを心がけましょう。
食物繊維を摂る
野菜、海藻、きのこなど食物繊維を多く含むものは、食物の消化吸収速度は緩やかで、血糖値の急激な上昇を抑制してくれます。
食物繊維摂取量の目安は1日20g以上とされています。
まとめ
「厳しい」「つらい」といったイメージを持たれることの多い食事療法ですが、ポイントを押さえれば無理なく継続できます。
最近では糖尿病対応のお弁当サービスや低糖質の食品も多く出回るようになりました。
全て自炊しようと思うと負担に感じてしまうかもしれないので、市販品もうまく活用しながら取り組めるといいですね。