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ユーロ2016。開幕戦で垣間見えた「本命」フランスの長所と短所

杉山茂樹スポーツライター
PHOTO SHIGEKI SUGIYAMA

ユーロ2016が始まった。

本大会出場国は従来の16から24に増大。94年アメリカ大会までのW杯と同等のスケールだ。優勝国が判明するのは1か月後で、しかも実力伯仲とくる。どこが勝つか予想しにくいところに、なにより面白みを抱く。ベスト4の顔ぶれがあらかた予想できるチャンピオンズリーグ(CL)とは違う。ミステリアスなムード漂う中、優勝者という犯人を捜しながら、現地フランスを1ヶ月間、右往左往する。それが僕にとってのユーロだ。

ブラジルW杯優勝国のドイツ、前人未踏の3連覇を狙うスペインを抑え、ブックメーカー各社から、僅差で本命に推されているのがフランス。最大の理由は開催国の利になるが、それが絶対的なものでないことを証明したのが開幕戦(6月10日)、対ルーマニア戦になる。

結果はご承知の通り、フランスの2対1。

例えば、CLで毎度本命に推されるバルサは、ホームで迎えるシーズン初戦で2−1の戦いはしない。ルーマニア級の相手に苦戦することはない。3−0、4−1、あるいはメンバーを落として2−0とか、そこそこ差をつけた戦いをする。

CLとユーロと。上位と下位とに差があるのがCLで、接近しているのがユーロだ。ユーロの舞台にはバルサ的存在はいない。レアル・マドリーもバイエルンもいない。本命と言えど絶対的な立場にはない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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