使用率No1タイに躍り出た4−3−3。ユーロの現場で攻撃サッカーの母国オランダの貢献度について考える
本大会出場国が16から24に増加したにもかかわらず、予選で敗れてしまったオランダ。前回、敗退したのは32年前の1984年だが、この時の本大会出場国はわずか8チームだ。今回の予選落ちが、いかに大きな事件であるかは、2014年ブラジルW杯3位、2010年南アW杯準優勝という近年の成績に照らすまでもない。
オランダは成績に限らず、本大会に欠かせない存在だった。オーストリア、スイス共催の2008年大会では、会場となったベルンに、10万人ものファンを送り込んでいる。実際にスタジアム内で観戦できたファンは1万人強。その他の9万人近いファンは、ベルンの市庁舎広場に設置された巨大スクリーンで観戦することになった。すなわちオランダ人は、お祭り気分の盛り上げに大きく貢献した。
毎度、開催国に大応援団を送り込み、舞台の盛り上げ役を果たしてきたオランダ。彼ら不在のユーロは、風物詩がひとつ消えたようでいささか寂しいが、サッカー的には、その影響力を改めて実感することができている。
オランダは攻撃的サッカーの母国。かつて欧州に、守備的サッカーの波に襲われそうになった時も、頑なにその姿勢を貫いてきた。攻撃的サッカーがスタンダードになった現在の欧州サッカーは、オランダの存在なくして語れないと言いたくなる。
オランダサッカーの定番の布陣は4−3−3だ。中盤ダイヤモンド型3−4−3も伝統の布陣だが、一般的なのは4−3−3。しかしその使用はある時まで、オランダ国内とバルセロナ。さらにはズデネク・ゼーマン等、一部の攻撃的サッカー信奉者が指導するチームに限られていた。90年代後半、攻撃的サッカーと守備的サッカーが睨みを利かし合っていた時代でさえ、4−3−3は少数派だった。
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