なぜバルサは“低価格”で補強を行なっているのか?ギュンドアン、イニゴ…財政事情とシャビの要求。
各地でプレシーズンがスタートしている。
プレシーズンが始まった段階では、バルセロナはセルヒオ・ブスケッツの代役を見つけられていない。目下、シャビ・エルナンデス監督の悩みの種はそこにある。
■バルセロナのアンカー探し
バルセロナは当初、マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)、ジョシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)、マルセロ・ブロゾビッチ(インテル/現アル・ナスル)らを狙っていた。
だが高額な契約解除金が設定されているスビメンディ、バイエルンの主力であるキミッヒ、チャンピオンズリーグの準優勝のメンバーのブロゾビッチを確保するのは難しかった。
キミッヒに関しては、バイエルンが売却を固辞していた。しかし、スビメンディには6000万ユーロ(約90億円)の契約解除金があり、ブロゾビッチについてはインテルが移籍金2200万ユーロ(約33億円)を要求していた。インテルとアル・ナスルの間で最終的には移籍金1800万ユーロ(約27億円)でオペレーションがまとまったが、お金を積めばバルセロナにも獲得の可能性はあったはずだ。
ない袖は振れない。そういうことなのだろう。財政が厳しく、バルセロナは無理できなかった。
そこで、現在、白羽の矢が立てられているのがオリオル・ロメウである。
ロメウはバルセロナのカンテラ出身選手だ。ジローナと2025年夏まで契約を残しており、契約解除金が800万ユーロ(約12億円)に設定されている。いわば“低価格”で獲得できる選手だ。
■昨夏の大型補強とレバー
バルセロナは昨年夏、大型補強を敢行した。ロベルト・レヴァンドフスキ 、アンドレアス・クリステンセン、フランク・ケシエ、ジュール・クンデ、ラフィーニャといった選手たちを獲得。1億5300万ユーロ(約229億円)を補強に投じた。
バルセロナは昨夏、「4つのレバー」を動かして資金を捻出した。だが、今夏、昨夏のように動かせるレバーはない。ラ・リーガの監視が厳しくなってもいる。また、新カンプ・ノウ創設にお金が必要という事情もある。
この夏のバルセロナは、フリートランスファーで獲れる選手と将来有望な若手選手を確保して、現在と未来を見据えたチーム強化を目論んでいる。
イルカイ・ギュンドアン(前所属マンチェスター・シティ)、イニゴ・マルティネス(アトレティック・クルブ)をフリートランスファーで獲得した。アルダ・ギュレルに関してはレアル・マドリーに先んじられたものの、ビトール・ロッキ獲得でアトレティコ・パラナエンセと移籍金3000万ユーロ+ボーナス3100万ユーロで合意している。なお、V・ロッキの正式加入は2024年1月の見込みだ。
しかし、シャビ監督は満足していない。
「もっと補強をしなければいけない。補強担当の人たちと協力をしながらね。難しいシチュエーションで、ファイナンシャル・フェア・プレーの関係で我々は思ったような補強ができないかもしれない。補強について、名前を明かすことはできないが、クラブはより競争的なチームを作り上げるために働いてくれている」
「カンテラの選手を見る必要がある。私は、これまでそうしてきたように、それを続けるつもりだ。バルデのケースが、良い例だろう。昨年、我々はバルデに関して異なるプランを持っていた。だが彼がプレシーズンで素晴らしいプレーを見せて、チームに残ることになった。それこそが、歩むべき道だ。カンテラにはポテンシャルがある。そこを生かさない手はない」
ガビ、ロナウド・アラウホ、アレッハンドロ・バルデ、エズ・アブデ(オサスナからレンタルバック)、ラミン・ジャマル…。近年、才能豊かなカンテラーノが台頭してきている。
ベテランと若手。即戦力と将来のある選手。そのバランスを意識しながら、シャビ監督はフロントと協働してチームビルディングを進めている。