トルコ海軍コルベット「クナルアダ」が日本に向けて出発
4月8日、トルコ海軍コルベット「クナルアダ」がイズミルのフォチャ海軍基地を出港し日本に向けて航海を開始しました。「トルコ・日本国交樹立100周年」および「エルトゥールル号の日本来航134周年」を記念して、1890年のエルトゥールル号遭難事件の沈没場所である和歌山県の串本町で式典を開く予定です。
日本寄港予定日（出典：トルコ国防省）
- 6月08日～11日：串本
- 6月12日～16日：東京
- 6月18日～21日：広島
TCG Kınalıada (F-514)
コルベット「クナルアダ」の名前ですが、トルコ語のクナルアダ（Kınalıada）の「ı」は「i」に似ていますが別の文字で、発音はウに近いので注意してください。これを知らないと「i」と勘違いして「キナリアダ」と読みそうになりますが、間違いになってしまいます。特に大文字が誤解しやすい文字の形となっています。
大文字 → 小文字 → 読み
I → ı → ウ
İ → i → イ
TCGはトルコ共和国艦艇（Turkiye Cumhuriyeti Gemisi）を表す接頭辞です。クナルアダの艦番号F-514の「F」はフリゲートおよびコルベットを意味する記号です。
- F-511 ヘイベリアダ（Heybeliada）
- F-512 ブユックアダ（Büyükada）
- F-513 ブルガズアダ（Burgazada）
- F-514 クナルアダ（Kınalıada）
- A-591 ウフク（Ufuk）※補助艦扱い
「クナルアダ」はアダ級コルベット4番艦です。アダ（Ada）はトルコ語で「島」を意味します。アダ級コルベットは満載排水量2300トンで、艦橋の形状はアメリカ海軍のフリーダム級沿海域戦闘艦によく似ています。ただし最高速力45ノットを発揮するフリーダム級と比べると、トルコが設計したアダ級は最高速力31ノットと常識的な速度性能に止めています。
※追加建造されたアダ級5番艦A-591「ウフク」は試験訓練任務およびSIGINT/ELINT電子情報収集用の特殊な艦で、Aは補助艦を意味する記号。トルコ国家情報機構MİTとトルコ海軍が共同運用する偵察艦。ウフクは地平線を意味し男女兼用で人名にもよく使われる。
※FやAの記号はイギリス海軍式のペナント・ナンバーでNATOも採用しておりトルコ海軍も採用。なおアメリカ海軍はこれを採用せず。
アダ級は輸出も行っており、設計を変更したパキスタン向けのバーブル級や、ウクライナ向けのヘーチマン・イヴァン・マゼーパ級の建造計画が進んでいます。ただしウクライナ向けについては、ロシアとの戦争が終わらない限り引き渡しは難しいでしょう。
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