【体力がありそうなのに、実は暑さのレースに弱いの?】暑さのレースで失速しやすいランナーの特徴は!?
マラソンはオフシーズンとなりましたが、まだまだイベントは開催されています。そしてこれからは酷暑のレースが多くなります。そんな酷暑のレースで力を発揮しやすいランナーや、失速しやすいランナーの特徴はあるのでしょうか。平均気温26.7度の暑さの中で行われた2007年のシカゴマラソンと、平均気温2.8度の寒さの中で行われた2009年の同大会の、男性ランナー22990人と女性ランナー13233人を比較した文献で調べた結果をみていきましょう。
1.男性の方が失速しやすい(体の大きい方が失速しやすい)
文献ではゴールタイムに関与する因子を、重回帰分析を用いて計算しています。その結果最も大きいのは性別です。男性は女性に比べて、暑さの環境下では失速しやすい傾向にあるようです。
暑い時は10~15kmを過ぎるとガタっと失速していますが、その失速の度合いは男性の方が大きいようです。これは男性の方が体格が大きいためと考察されています。熱の産生は体重に比例し、熱の放散は体表面積に比例するため、必然的に体格の大きいランナーほど熱の産生が、熱の放散よりも大きくなりやすいのです。
2.特にゆっくりのランナーの方が、暑さで失速する?
そしてゴールタイムで比較した分析では、ゆっくり走るランナーの方が暑さの影響を受けやすかったようです。
ゆっくりと走るランナーの方が、結果的に長い時間高温にさらされるために、パフォーマンスが低下するのだろうということです。ですがランニング経験、トレーニングレベル、暑熱馴化などの変数も影響を与えた可能性があるようです。要はしっかりトレーニングをしている速いランナーは、暑さの影響を受けにくいというだけのことかもしれません。
3.年配者の方が失速する
そしてさらには、年配者の方が失速しやすいようです。
年配者の方が経験も豊富で、暑さ対策をしっかりしているように思います。ですが高齢者は汗腺の活性が低下・減少していることに加えて、皮膚が気温変化に対応しにくくなるため、暑さには弱くなると言われています。
4.まとめ
これからのランニングイベントは、必ず暑さとの戦いになります。体の大きな男性は、一見体力があるように見えます。ですが実際には、そんな体力があって暑さに負けなさそうな男性ほど、暑さの影響を受けやすいのです。体力に自信がある大柄なランナー、そんなランナーほど夏の暑さに気を付けて欲しいのです。