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開幕ロースター入りを争っていた2人、元プロスペクトと元本塁打王はどちらも他球団へ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケストン・ヒウラ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Aug 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミルウォーキー・ブルワーズの一塁には、昨年、35本のホームランを打ったラウディ・テレーズがいる。DHは、オフにトレードで獲得したジェシー・ウィンカーが務めるだろう。彼らは、2人とも左打者だ。

 数日前まで、開幕ロースターには、右打者のケストン・ヒウラルーク・ボイトのどちらかが、控えの一塁手として入るように見えた。

 26歳のヒウラは、2017年のドラフト全体9位だ。ブルワーズに指名され、2019年にメジャーデビューした。32歳のボイトは、先月下旬にブルワーズとマイナーリーグ契約を交わした。2020年に本塁打王を獲得した後の経緯については、「トレードで身代わりに放出された元本塁打王は、マイナーリーグ契約からスタート。開幕ロースター入りは…」で書いた。

 MLB.comのアダム・マッカルビーによると、3月24日、ブルワーズのマット・アーノルドGMは、開幕ロースターには入れないことをヒウラに告げたという。ヒウラのマイナーリーグ・オプションは切れているので、ここからは、トレードで放出するか、ウェーバー公示となる。

 ヒウラを手に入れようとする球団は、あってもおかしくない。今春のエキシビション・ゲームだけでなく、過去3シーズンも期待どおりの結果は残せていないが、メジャーリーグ1年目には、84試合で19本のホームランを打ち、打率.303と出塁率.368を記録している。年齢からすると、資質を開花させる可能性は、まだ潰えていない。

 一方、こちらもマッカルビーによると、ボイトはマイナーリーグ契約についていたオプト・アウトの権利を行使し、FAになったという。ブルワーズは、ヒウラを開幕ロースターから外したものの、その時点で、ボイトを開幕ロースターに入れたわけではない。ブルワーズは、ボイトとメジャーリーグ契約を結び直すつもりらしいが、この間に、ボイトが他球団と契約を交わすこともあり得る。

 一昨日に「昨年30本塁打&ポストシーズン6本塁打の一塁手が開幕直前にシーズン全休となる。代役の候補は…」で書いたとおり、フィラデルフィア・フィリーズは、一塁手を必要としている。ちなみに、今春のボイトのスタッツは、打率.316と出塁率.333、2本塁打だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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