昨年30本塁打&ポストシーズン6本塁打の一塁手が開幕直前にシーズン全休となる。代役の候補は…
3月23日、リース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)は、守備の際に左膝の前十字靭帯を損傷した。手術を受け、今年のシーズンは全休することになる。
ホスキンスは、数日前に30歳となった一塁手だ。過去5シーズン(2018~22年)の計130本塁打は、このスパンの15位タイに位置する。昨年は、レギュラーシーズンの30本塁打に加え、ポストシーズンの17試合で6本のホームランを打った。後者は、チームメイトのブライス・ハーパーとカイル・シュワーバーと並び、昨年のポストシーズンに出場した選手のなかで最も多かった。
1週間後には、シーズンが始まる。代役の筆頭候補は、昨年6月に26歳でメジャーデビューした、ダリック・ホールだろう。昨年、ホールは、AAAの101試合で28本塁打とメジャーリーグの42試合で9本塁打を記録した。パワーに関しては、ホスキンスの穴を埋める可能性がある――実際にそうなるかどうかは別の話だが――ように見える。
ただ、ホスキンスと違い、ホールは左打者だ。昨年、AAAでは、右投手に対し、打率.286と出塁率.363、24本塁打、OPS.980を記録したが、左投手との対戦は、打率.184と出塁率.255、4本塁打、OPS.591に過ぎなかった。メジャーリーグでは、そもそも、左投手がマウンドにいる時に起用されることはほとんどなく、142打席中、対左は12打席(8.5%)だけ。そこでも、長打なしの12打数1安打と討ち取られ、7三振を喫している。
ホールをホスキンスの代役とする場合、相手の先発投手が左腕の試合は、アレック・ボームを三塁から一塁へ移し、エドマンド・ソーサやジョシュ・ハリソンに三塁を守らせるなど、やり繰りが必要になりそうだ。
一方、FA市場には、右のスラッガー、ミゲル・サノーが残っている。昨年は、左膝を痛め、20試合しか出場していないが、2019年と2021年は30本以上のホームランを打っている。もっとも、こちらは三振が多く、例年、全打席の3分の1以上を占める。
先月下旬にブルワーズとマイナーリーグ契約を交わしたルーク・ボイトも、再びFA市場に出てくるかもしれない。ブルワーズの開幕ロースターに入れなければ、ボイトは、契約についているオプト・アウトの権利を行使し、FAになるはずだ。MLB.comのアダム・マッカルビーによると、ブルワーズがどうするか、ボイトは3月24日まで待つという。ボイトがブルワーズに入団するまでの経緯については、「トレードで身代わりに放出された元本塁打王は、マイナーリーグ契約からスタート。開幕ロースター入りは…」で書いた。
もし、フィリーズが動くとすれば、ブルワーズの決断後ではないだろうか。ボイトがFAになった場合はボイトを迎え入れ、ならなければサノーと契約、というプランが考えられる。
なお、全休ではないものの、フィリーズは、ハーパーも欠いて開幕を迎える。それについては、こちらで書いた。