フェラン・トーレスの移籍が決定的に...なぜバルサは彼の獲得に動いたのか?
バルセロナが、今冬の移籍市場におけるフェラン・トーレスの獲得を決定的としている。
本稿執筆時点で移籍は決まっていない。だがフェランはすでにバルセロナを訪れてメディカルチェックを受けており、公式発表は時間の問題だ。バルセロナ側は移籍金5500万ユーロ(約67億円)+ボーナス1000万ユーロ(約13億円)のオファーで移籍を成立させようとしている。
フェランは、シャビ・エルナンデス監督の就任後、バルセロナの補強第二号となる。
ダニ・アウベスに続いて、シャビ監督はフェランの獲得を決めた。右サイドの2選手を確保したのは、興味深い。もっとも、フェランに関しては、複数ポジションでの起用が考えられる。しかし、セルジーニョ・デスト、オスカル・ミンゲサ、ユスフ・デミル、ガビといったロナルド・クーマン前監督の下で右サイドバックあるいは右ウィングで使われていた選手というのは、シャビの指揮下では右サイドに置かれなくなった。まず、ここは押さえておくべきポイントだ。
フェランは2020年夏にバレンシアからマンチェスター・シティに移籍した。その際に移籍金固定額2500万ユーロ(約27億円)を支払ったシティだが、将来的にスペインのビッグクラブからオファーが届いた場合、交渉に応じる条件が記載されていたとみられている。
フェランのバルセロナ移籍については、シャビ監督とゼネラル・ディレクターのマテウ・アレマニーの存在が大きかった。アレマニーは、フェランがスペインでプレーしていた頃に、バレンシアで補強を担当していた人物だ。ゆえにアレマニーはフェラン、もとい彼の代理人を務めるエクトル・ペリスと良好な関係を築いていた。
一方、バルセロナには「お金の事情」という切実な問題があった。サラリーキャップと移籍金の捻出の問題だ。サラリーキャップに関しては、セルヒオ・アグエロの引退に加え、ルーク・デ・ヨングやデミルらの放出で空きをつくる算段ができた。移籍金については新たなスポンサー獲得と長期契約による分割払い(5年契約で毎年1100万ユーロを支払う契約になる可能性)でネゴシエーションをまとめることになりそうだ。
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■フェランの起用法
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