久保建英とマジョルカでの二度目の挑戦。ハーフランを終えて。
2021年はマジョルキン(マジョルカの人々)にとって忘れられない一年になるだろう。
2020−21シーズン、マジョルカはリーガ1部昇格を決めた。2019−20シーズンに2部に降格してから、わずか一年で最高の舞台へと返り咲いた。
今季のマジョルカは不安定な戦いを続けていた。
スタートは上々であった。第8節レバンテ戦まで、3勝2分け3敗。1部昇格組としては、まずまずの出来だった。
だがレバンテ戦以降、マジョルカは勝てなくなった。7試合未勝利が続き、気付けば降格圏に近づいていた。久保建英の負傷離脱があったから、などと浅はかな思考をしたくはない。しかしながらルイス・ガルシア・プラサ監督がうまく選手を当て嵌められていなかったのは確かだ。
それでもここまでのマジョルカは十分な成果を挙げていると言える。彼らの具体的な目標は「38試合で勝ち点40獲得」だ。そこが1部残留のボーダーラインだからである。
第17節終了時点で勝ち点20を稼いだマジョルカは、1部残留に向けて邁進しているとみていいだろう。
そして、肝心の久保だ。
コパ・デル・レイ2回戦のジャネーラ戦では、先発で67分プレー。CKから3アシストを記録している。
リーガエスパニョーラでは、直近のグラナダ戦で【4−2−3−1】の右サイドハーフに入った。トップ下にはダニ・ロドリゲスが、左サイドにはイ・ガンインが据えられ、2列目のポジションが埋まった。
(久保とコスタの関係性)
グラナダ戦のマジョルカのゴールシーンでは、久保の新たな形が見て取れた。中盤のところでボールを受け、ハーフスペースで前を向く。ドリブルから左のサイドに展開しようと、駆け上がってきたジャウメ・コスタを見逃さずにフィードを送る。最後はコスタのクロスにダニがヘディングで合わせて決めた。
それはまるでバルセロナ時代のリオネル・メッシ、ジョルディ・アルバ、ルイス・スアレスのようなコンビネーションプレーだった。
■マジョルカの2列目の配置
左のイ・ガンイン、トップ下のダニ、右の久保。この配置がベストだとは言えないだろう。しかしルイス・ガルシア監督がダニをトップ下に置くのは理由がある。
この記事は有料です。
誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバーをお申し込みください。
誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバー 2021年12月
税込550円(記事7本)
2021年12月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。