日本で1400億円分のポイント・マイルが失効? 取り逃しを防ぐ3+1のヒント
日本中で1400億円分のポイント・マイルが消えている?
日本で暮らしていて「ポイント」や「マイル」とまったく無縁という人はいないでしょう。
コンビニ、ドラッグストア、家電量販店、スーパーマーケットなどは独自のポイントを持っています。dポイントカード、Tポイントカード、楽天ポイントカードを、店舗のポイントカードと合わせて提示するシーンも増えています。これらはカードを持つ必要があります。
Amazon、楽天市場などECサイトを利用すればポイントが貯まります。クレジットカードを利用すればこれまたポイントが貯まります。こちらは自動的に付与されます。
飛行機のマイルはよく知られています。銀行でもポイントが貯まることがありますし、「ポイントと無関係で生きる」ほうがむしろ難しいくらいです。
矢野経済研究所の「ポイントサービス市場に関する調査(2020年)」によれば国内のポイントサービスの市場規模は年2兆円を超えているといいます。年2兆ポイント(1ポイントが1円として。以下基本的に1ポイント=1円とする)。
20/8/5 矢野経済研究所 プレスリリース
ポイントが貯まればうれしいものの、これはあくまで「次回以降の値引き」です。また期限がやってくれば失効する可能性があります。
この失効が「1400億円規模」ではないかというプレスリリースが話題となっています。
22/3/3 Yahoo!ニュース内 まいどなニュース 「ポイント失効で、日本から「1389億円相当」が消えた!? クレジットカード・マイレージサービスの利用調査」
元データは、ポイントやマイルを交換できるサービス「交換.jp」を提供する株式会社プレミア・クロスバリューが実施した「クレジットカードポイントとマイルの利用状況」に関する調査になります。
交換.jp https://ko-kan.jp/
AMP調査データの解説ページ
クレジットカードのポイントやマイルを対象に、失効経験者の割合と失効額相当を調査、これを日本人口で計算してみたところなんと1389億円にもなったということです。
私は実際はもっと大きいと見ます。ポイントシステムはそれこそ無数にあります。「失効していなかったことを把握していなかった」ポイントも大量にありますし、「失効額を見極めていなかった(100ポイントくらいと思ったら実際は150ポイント失効していた)」ポイントが、調査データ以上に「死蔵」されていると考えるからです。
そうなると、それこそ毎年のように数千億円相当のポイントやマイルが消えているのかもしれません。
そこで今回は「ポイントやマイルを失効させないヒント」を“3+1”ご紹介してみたいと思います。
ヒント1:「集中」あまり使わないサービスのポイント・マイルに分散させない
最初に気をつけたいのは、ポイントを失効する最大の原因「いろんなところにちょっとずつ貯まっていて、使うのを忘れていた」を避けることです。
ポイントはできるなら集中して貯めたほうがいいでしょう。クレジットカードなら複数枚に分けず、還元率のよい一枚に利用を集中させます。dポイントカード、Tポイントカードのような「どちらかを提示」するカードは片方に集中したほうがいいわけです。
悩ましいのは、ドラッグストアや家電量販店の独自ポイントです。安値を追求する観点からは、いくつものお店を比較し、最安値ショップで買うべきですが、年に一度使うか使わないかのお店で高額家電を買って、せっかくのポイントを失効させるようなミスはしたくないものです(この場合、買い物の直後にポイントを使った別の買い物をするなどして失効しない対策をするとよい)。
とにかく、「ときどき、使うお店」というのが失効しやすいので注意してください。飛行機のマイルが失効しやすいのも、普通の人はひんぱんに飛行機に乗らないからなのです。
ヒント2:「すぐ使う」ポイントを貯めすぎない 100ポイントで使えるならすぐ使う
ところで、ポイントというと貯めまくる人がいますが、実は貯めることこそ失効のリスクをはらみます。ポイントシステムの多くは「最終利用日から1年」のように設定をしており、日常的に買い物さえしていれば永遠にポイントを貯められるわけですが、結果として使わないのなら意味がありません。
私が最近やったトラブルですが、お店のポイントアプリがバージョンアップしたとき、メールアドレスの再認証がうまくいかず(ちゃんと登録したはずなのに!)、1000ポイントを失効したことがあります。これはとてつもなく悔しいことです。
「ポイントを使うルールを低めに設定しておく」ことをオススメします。例えば私の場合「子どもにおもちゃを買ってあげるときは、家電量販店のポイントをなるべく使う」と決めています。
「1000円貯まったらすぐ使う」と決めておくのもいいでしょう。「1円単位で使えるので、100円未満の端数はポイントで処理」というのもアリです。
「ポイントを商品券に発行するのは1000円単位」のようにまとめないと消費できないタイプもありますが、これこそ最小単位でどんどん使っていきましょう。
ヒント3:交換できるなら別のポイントに変えて消費しよう
ところで、今回の統計データ元は「交換.jp」というサービス運営会社ですが、いくつかのクレジットカードと提携し、商品やポイントの交換サービスを行っています。他のポイントや商品に交換できるなら、これを使うのも方法のひとつです。
もともと、クレジットカードのポイントはギフト交換から始まっています。これは「2500円で店頭で買えるものがポイント交換だと3000円の定価になる」のような問題がしばしばあります。それでも「交換しなければそもそもの2500円相当のポイントが失効するかも」と考えて交換するほうがいいと思います。
また、「別のポイントに交換」という手もあります。最近ではAmazonギフトカードに交換したり、dポイントやPontaポイントなどに交換できることもあります(セゾンカードの永久不滅ポイントの例)。こうすればECサイトやコンビニですぐ買い物として使うことができ、失効を防ぐことができます。
特にクレジットカードのポイント交換は、選択できるサービスの多様化が進んでいるので、ときどきWEBをチェックしてみるといいでしょう。
プラス1:「あえて失効していいケース」ポイント100円のために1000円のいらない買い物はムダ
最初に「3+1」とした、最後の「プラス1」はというと「あえて失効させる」という選択肢です。
期限が来て使えないのは確かにもったいないことですが、ポイントの消費がムダ遣いを誘発することもあるからです。
クーポンが「今のお会計の値引き」ですが、ポイントは「次回のお会計の値引き」ということです。つまり、何かの消費を伴います。
ポイントだけで全額買い物できるなら、くだらないものを買ってもムダとはいえません。しかし「100ポイント失効するから、1000円のたいしていらない買い物を無理矢理する」ようなことをすれば、900円のムダづかいになります。
ポイントついで、とばかりに高い買い物や不要な買い物をするのでは、売り手の思うつぼです。「1000ポイントが失効するので、1000円の買い物をする」ができないなら、あえて失効させてしまうのも選択肢といえるでしょう。
まとめ:ポイントシステムは値上がり時代の貴重な財産 上手に使おう
最近、物の値段が上がり始めています。ポイントは「実質的な値下げ」として貴重な財産です。
1ポイントが1円で利用できるとしたら、1000ポイントをなくすということは1000円札を落としたのと同じことです。
1000円札を落としたら大後悔するのに、1000ポイントの失効には無頓着というのはもったいないこと。ぜひ、ポイントを上手に使い切る楽しい「ポイ活」をしてみてください。