新型コロナで外出禁止令の米国、逮捕者相次ぐ
新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、州政府による外出禁止令の発令が増えている米国で、外出禁止命令違反による逮捕が各地で相次いでいる。一方、ジェローム・アダムス公衆衛生局長官は5日、「今週、米国はパール・ハーバーか、あるいは9.11のような瞬間を迎えるだろう」と述べ、国民に最大限の警戒を呼び掛けた。
50州中42州が外出禁止令
米国ではカリフォルニア州が3月19日に外出禁止令を発令したのを皮切りに、同様の命令を出す州が急増。CNNのまとめによると、その数は5日現在、42州に上っており、発令していない州はわずか8州にとどまっている。首都ワシントンD.C.も発令した。
米国は国としては外出禁止令を出していないが、事実上、州主導でほぼ全土に外出禁止令が敷かれた格好だ。
強制力を伴う外出禁止令の施行に伴い、逮捕者も各地で相次いでいる。
サーファーが逮捕
地元紙によると、カリフォルニア州モントレー市では、先週末の夜、20代の若者4人が自宅アパートでパーティーを開いていたとして逮捕された。警察は初め、近所の住民からの通報を受けて電話で警告したものの、その後、再び別の住民から苦情を受けたため、逮捕に踏み切ったという。
また、カリフォルニア州ロサンゼルス市近郊のビーチでは、3日、1人でパドルボードをしていた男性が、ライフガードの命令を無視してパドルボードをやり続けたため、ロサンゼルス郡保安官に逮捕された。その1週間ほど前にも、別のビーチでサーフィンをしていた男性がやはり命令を無視して逮捕され、1000ドル(約11万円)の罰金を科せられたという。
ニューヨーク州では、3月末、ニューヨーク市内のスポーツバーの経営者が店内で大勢の客を相手に営業していたとして逮捕された。近所の住民からの通報を受けて警察が駆け付けたところ、十数人の客が酒を飲んだりギャンブルをしていたりしたという。
「パール・ハーバーか9.11」
一方、ジェローム・アダムス公衆衛生局長官は5日、テレビ番組に出演し、新型コロナの感染者数や犠牲者数がさらに増えるとの見通しを示したうえで、「今週、米国はパール・ハーバー(日本軍による真珠湾攻撃)か、あるいは9.11(2001年の同時多発テロ)のような瞬間を迎えるだろう」と述べ、国民に最大限の警戒を呼び掛けた。
米国では、新型コロナの感染者数が世界で最も多い30万人を超え、死者数も8000人に到達。犠牲者数が急増しているニューヨーク市では、医療崩壊の危機が叫ばれるなど、国全体が緊迫したムードに包まれている。