マラソンのとき、ぺーサーって利用した方がいいの?
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回はマラソンにおける、ぺーサーの効果についてまとめます。
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はじめに
最近の多くの大規模マラソンでは、ぺーサーが設けられています。目標とするタイムのぺーサーがいれば、もちろんついて行きたくなるでしょう。
ですが実際にペーサーが、スタート直後から周囲にいるわけではありません。はるか前方にいたり、逆に後方にいたり・・・ そんなとき強引に前方のぺーサーを追いかけたり、逆にぺーサーを待ってまで拘る必要はあるのでしょうか。
文献より
さすがにハーフやフルマラソンのぺーサーの効果の研究はありませんが、1500mや3000mの文献はあります。上のグラフは立正大学と筑波大学からの文献で、1500mの単独走と2人走のタイムの比較です。
6人の大学生・大学院生の市民ランナーが、単独走と2人走の1500mのタイムトライアルを1人走と2人走で計7回ずつしたところ、2人走の方が単独走より 5.9 秒(2.1%)有意に速かったという事でした。これは心理的な面でのプラスが大きかったということです。
ここでは特に中盤でのペースに差が出ていることが分かります。要はゴールという目標が見えていない中盤に、心の支えになるのがぺーサーなんです。
自分もぺーサーを務めた経験がありますが、序盤はペースが把握できておらず不安定のことがあります。あまり頼りにならないので、中盤以降にぺーサーに近付いていくのがいいと思います。また最終盤はぺーサーに拘らずに、残った力を振り絞って下さい。
ちなみに2人走でなくて集団走で調べたブラジルの文献では、3000mのタイムが30秒速くなるとの結果でした(集団11.75±0.05分対単独12.25±0.06分)。
さらに
ですが、万人に効果がある訳ではありません。効果の高い人もいれば、逆に1人走の方が速いひともいます。
ぺーサーにリードしてもらっても、
「走りにくい!」
と感じたら、集団の中で位置を変えてみて下さい。それでもダメであれば、ぺーサーに拘わらずに単独走にしてもよいと思います。
まとめ
特に中盤から終盤の「辛いけどまだまだゴールは先!」という状況で、多くのランナーはぺーサーの恩恵を受けられます。
ですが混雑した序盤では、無理にぺーサーにつくことは考えなくていいと思います。余裕のある序盤は、ぺーサーから力を貰わなくても走れると思いますし、ぺーサーも序盤はペースが定まってないこともあります。
また終盤は、ぺーサーを無視して残った力を出し切って下さい!
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
もっと詳しく書いているので、興味があれば自分のNOTEも参照下さい:
(ビアランニングドクターのNOTE:(前編)ぺーサーについていった方がいいよ~集団走の効果~)
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)