豊かな地下水を活かした初夏の味「水まんじゅう」柏屋つちやさんの水まんじゅうの中には流れるようなこし餡
岐阜県大垣市は、秋になると栗の名産地としてあちこちの和菓子屋さんから栗きんとんが販売されますが、今の季節は水まんじゅうが食べごろ。
水まんじゅうとい申しますのは、葛粉とわらび粉をあわせて練り上げたものでこし餡を包んだ生菓子。大垣市が属する西濃平野の地形により、豊富な地下水源に恵まれているため、その地下水を活かした和菓子として大垣市発祥の和菓子といわれております。あちこちの和菓子屋さんでキーンと冷えた名水に浮かべた水まんじゅうを購入することができ、食べ比べなさる方も。
大垣市のみならずお取り寄せや都内でも人気の「柏屋つちや」さんがこのほど、新宿伊勢丹へ出店なさっていらっしゃるところに遭遇し、本店では週末限定という水まんじゅうと遭遇することができました。百貨店のポップアップストアの嬉しいところは、普段なかなか手にすることができないお菓子と出会えるというところもありますね。
今回は柏屋つちやさんの「水まんじゅう」をご紹介。
一口サイズの小柄な水まんじゅう。ここ最近はコンビニでもおひとつから個包装されているものが販売されていたり、冷凍状態のものが展開されていることもありますが、柏屋つちやさんの水まんじゅうは、是非つるんと一度に口へ流し込んでいただきたいのです。
というのも、葛粉とわらび粉をあわせた、もっちりとして心地よく奥歯を受け止めて沈み込むような皮の中に包まれているこし餡は非常にさらさらとしているため、上品にスプーンで少し掬って…となると、折角のこし餡が水に流れ出してしまうのです。勿体ない…!
今回は皆さんに中のあんこをご覧いただきたいと思いスプーンで少しすくってみましたが、この2秒後には慌てて口の中へと。
目立つような甘さなどはありませんが、葛粉やわらび餅特有のじわりとした旨味を孕んだ部分のもちもちとした食感を味わいながら、名残惜しいと思いつつも喉元へながれていくこし餡のさらりとした甘さに思わず肩の力を抜くと、一瞬じりじりとした厚さを忘れてしまうから不思議ですね。
キーンとこめかみを刺激するような冷たさはないものの、佇まいと風味に涼を感じられるようになったんだなぁと自分に感心していたら、いつの間にかお皿が空っぽになってしまった…というのは、ここだけの秘密。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<柏屋つちや>
公式サイト(外部リンク)
岐阜県大垣市美和町1766
070-2182-9370
9時~17時
定休日 火曜・水曜
※今回は新宿高島屋さんでの6月5日(水)~6月11日(火)までの限定出店にて購入致しました。