パリ全域でマスク義務化 パリジェンヌのメイクアップ傾向にも変化が
本日8月28日午前8時から、パリでは公共の場所でのマスク着用が義務化されるようになった。
この件については過去にも、公共交通機関内での義務化、さらに8月11日付の記事では地図で指定されたゾーンの義務化のニュースをお伝えして来た。
今日からはパリ全域と隣接する首都圏(オー・ド・セーヌ県、セーヌ・サン・ドニ県、ヴァル・ド・マルヌ県)の公共施設、公道も対象になる。
つまり一歩外に出るときからマスクは必須。歩行者はもちろん、自転車、キックスケーター、バイクの人も対象で、違反すると135ユーロ(約17,000円)の罰金。ちなみに自家用車内では着用の義務はなく、11歳未満は例外というのは変わっていない。
フランスではロックダウン以降、感染拡大がいったんは下火になっていたが、7月半ばからふたたびじわじわと拡大傾向にあった。
7月後半から8月にかけては、新型コロナ禍にあってもいつも通りの長いヴァカンスシーズンだったわけだが、来週から本格的に始まる新年度を前に、感染拡大第二波を最小限に食い止めるための方向性を政府が示した形だ。
昨日は、首相、健康相、教育相らの記者会見が開かれたが、そこでカステックス新首相はマスクの重要性を強調。
ヴェラン健康相は、必要とあれば、蘇生治療対応として12,000床が用意できると述べた。これは感染拡大第一波の時の倍の数字だ。
やはり昨日14時時点の、フランス公衆衛生局発表の数字によると、直近24時間での新規感染者数は全国で6,111人。入院患者は4,535人で、そのうち蘇生治療を受けている人は381人となっている。
さて、「フランス2」の20時のニュースでもマスクの話題がトップニュース。関連して、女性たちが化粧をしなくなっているという統計も紹介された。
現在ほぼ毎日化粧をしている人は21パーセントで、これは3年前と比べると半分の数字。
今年上半期の化粧品の売り上げは昨年比38パーセント減で、アイテム別では口紅が50パーセント減、ファンデーションが39パーセント減。
(たしかに…)と、しばらく口紅を手にしていない我が身に照らし合わせて大納得。
化粧品売り場で善戦しているのは、マスカラやアイシャドーなど目の周りのアイテムということで、マスクデフォルト時代の目がものをいう化粧法が浸透中のようだ。
さらに専門家によると、今後は化粧品の中身、つまり何で作られているのか、環境に配慮した商品かどうかがマーケットの鍵になるのではないかという見方。
時代はさらに健康志向。
メイクアップの分野でも、エコロジカルなナチュラルビューティーが加速する気配だ。