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今年のJリーグアウォーズに、日本によいサッカー監督が育たない原因を見た

杉山茂樹スポーツライター
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 以下は、Jリーグアウォーズで発表された2020年シーズンのベスト11だ。

GKチョン・ソンリョン DF登里亨平、谷口彰悟、ジェジエウ、山根視来 MF三笘薫、守田英正、田中碧、家長昭博 FWオルンガ、エヴェラウド

 FWの外国人選手2人を除けば、優勝した川崎フロンターレの選手で占められている。11人中9人。これまで1チームから選出された最大の人数は2018年の川崎と、2002年のジュビロ磐田の7人なので、今回はそれを2人更新したことになる。

 2位ガンバ大阪に勝ち点18差をつける独走劇。優勝チームに敬意を表した結果とも言えるが、ベスト11は個人賞だ。全18チームで争われたリーグ戦で、11人中9人が同じチームの選手で占められるベスト11は、バランス的にどうなのか。人の意見は様々だとはいえ、筆者には不自然に思えて仕方がない。

 ベスト11は、毎年発表されるたびに各方面から、この選手より、あの選手のがよかった等々、異論が飛び交う。当然といえば当然だ。サッカーは、明確に存在するデータがほぼ得点ランキングに限られる競技。選手の評価は各人の主観に委ねられる。意見や感想は十人十色。ベスト11を他人と完全に一致させることは、逆に至難の業であるほどだ。多くのファンに、納得してもらえるベスト11を提示することは簡単ではない。

 Jリーグが毎年発表するベスト11は、J1リーグ18クラブの選手、監督の投票をベースに、あらかじめ優秀選手33人を選出し、その中から選考委員がベスト11を決定するーーというものだが、それなりの手順を踏んだ結果とはいえ、やはりこれもひとつの見解に過ぎないのだ。

 筆者の見解を述べさせていただくならば、次の通りになる。

GKチョン・ソンリョン DF小川諒也(FC東京)、マテイ・ヨニッチ(C大阪)、犬飼智也(鹿島)、西大伍(神戸) MF守田英正、三竿健斗(鹿島) FWマテウス(名古屋)、エヴェラウド(鹿島)、オルンガ(柏)、三笘薫

 これは、Jリーグアウォーズでベスト11が発表される以前に、ある編集部からの依頼に基づき選出したものだが、こだわったのは、川崎の選手が多くなりすぎないことだった。評価が並んだ場合は、他のクラブの選手を優先しようとしたほどだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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