19卒就活生の就職人気ランキングが発表…各社で結果がバラバラになる理由とは?メガバンクは順位下降
大学生の「就職人気ランキング」が就活サイト運営会社から発表される時期になった。
3月28日には「ダイヤモンド就活ナビ」、4月6日には「楽天みん就」から19卒予定の学生を調査した結果が発表されている。
楽天みん就は、インターネットおよび、自社主催の就職イベント会場でアンケートを実施し7213人が回答。(調査期間は2017年10月19日~2018年3月20日)
ダイヤモンド就活ナビは、インターネット・就活イベントでの調査に加えてハガキでの調査も行っており、7021名が回答した。(調査期間は2017年12月8日~2018年3月19日)
2つともサンプルの数はほぼ同等であるが、特筆すべき点としてダイヤモンド就活ナビでは調査対象の大学が限定されている。
下記がダイヤモンド就活ナビの調査対象である。
具体的にどの大学が調査対象なのかは明記されていないが、日本国内にある大学の内訳が「国立大82大学、公立大87大学、私立大588大学」である事から、ダイヤモンド就活ナビは国公立大学に偏った調査になっていると考えて良いだろう。
この事から、2つのランキングではランクインする企業も大きく異なっており興味深い。
例えば「文系男子」の上位10社は下記のようになっている。
ダイヤモンド就活ナビでは文理・男女別の結果のみ公表されているため「文系男子」に揃えて2社のランキングを比較してみたが、ダイヤモンド就活ナビでは総合商社が揃って上位ランクインしている。
一方の楽天みん就活ではそこまで商社ばかりという結果にはなっておらず、食品メーカーや航空会社、広告代理店などがランクインしている。
2つの調査主体で属性が異なることにより、ここまで差が出るというのは興味深い。
ダイヤモンド就活ナビでの「商社無双」は文系男子に限ったことではなく、理系や女子のランキングでも変わらない。
その他、ダイヤモンド就活ナビでは保険・証券など金融系が目立っている。
みん就の理系男子ランキングでは機械系メーカーやIT・SI系企業がランクインしているが、ダイヤモンド就活ナビ側ではそれらの企業は上位には見られない。
【メガバンクは共通して順位を下げる】
どちらのランキングにも共通しているのが、メガバンクは順位を大きく落としているということだ。
みん就のランキングでは総合ランキングにおいて三菱UFJ銀行が9位から47位、三井住友銀行が21位から70位へ下降。
ダイヤモンド就活ナビでも「文系男子」のランキングで10位圏外に転落した。
本ランキングの調査開始時点ではメガバンクの人員削減が伝えられており、その報道を踏まえてメガバンクの優先順位を下げる学生は少なからず存在している。
今後、メガバンクは新卒での採用人数も減らしていく方針だと発表しており、人気が落ちても入社難易度はむしろ上がる可能性もある。
AIの導入などによりメガバンクの考える採用ターゲットも変化していくと考えられる。
【人気ランキングは参考程度に留めよう】
この手のランキングは、調査する時期(就活の早期か、終了に近い時期か)や対象となる学生の属性によって結果も大きく変わる。
今回比較した2つのランキングは、調査時期やサンプル数はほぼ同じであったものの対象となる属性が大きく違っていたためこのような差が生まれた。
調査対象がハッキリしない人気ランキングが発表されることも多いが、結果は水物だ。
ランキングの結果は鵜呑みせず「参考程度」に留めておくのが良いだろう。