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木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 織田信長が掲げた「天下布武」の真の意味とは?

濱田浩一郎歴史家・作家

木村拓哉さん主演の映画『レジェンド&バタフライ』が公開されています。木村さんは戦国武将・織田信長を演じていますが、本映画は、1月27日より公開となっています。

私は、木村さん始め俳優が登壇する初日舞台挨拶に行ってきたのですが、映画館の会場に入って、先ず目を引いたのが、スクリーンの前に置かれた金屏風、そしてその屏風の上には「天下布武」と書かれたパネルが置かれていたことでした。

「天下布武」ー信長は美濃国(岐阜県)を平定し、いよいよ上洛だとなった頃から「天下布武」と記された印判を使い始めます。天下布武(天下に武を布く)の意味は「武力をもって天下(日本国)を平定する」と一般には思われがちです。

しかし、戦国時代において「天下」というのは、地理的範囲でいうと、日本全体を指したものではなかったと言われています。京都もしくは京都と五畿内(山城・大和・河内・和泉・摂津国。現在の京都府南部、奈良県、大阪府、兵庫県南東部辺り)の範囲を「天下」と言ったというのです。

つまり、信長が掲げた天下布武は、日本国の平定を目指したものではなく、五畿内の掌握・平定を意味したのでした。

ちなみに、『レジェンド』公開に関連して「全国をレジェバタで染め上げよ!目指せ天下布武」というキャンペーンが行われています。『レジェンド』を観た感想などを投稿すれば、抽選でオリジナルグッズが当たるとのこと。興味のある方は、関連サイトを見て、応募してみるのも良いでしょう。

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

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