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老後に必要なお金は1億円?アジアの人が考える老後戦略

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
(写真:アフロ)

「年金が十分にもらえるのか不安」—そんなふうに思っている人も多いです。しかし、世界には日本ほど年金が恵まれていない国もたくさんあります。そんな国に住んでいる人も早期から強制貯蓄をすることで老後資金の準備が可能です。

「老後生活を送るには1億円必要」−そのような数字を答える人が日本も含めたアジアの国民は多いと感じます。あながちその数字はおかしくなく、日本では年金としてもらえる8000万円程度(人により大きく変わる)を引くと2000万円程度自分で準備しなければならないというのが状況です。

2015年の総務省の家計調査によると、年金世帯の平均的な毎月の支出は27万5706円(年間の支出は330万円程度)です。25年間で8262万円程度の金額が必要になります。

日本では公的年金ももらえるために、平均的な月の収入は21万3379円(年間約256万円)で25年間で約6401万円となります。必要総額に対して年金などの収入だけでは約1861万円の赤字になります。そのため、赤字部分は貯金などでの備えが必要になります。

資産運用をすれば老後資金を貯めることは可能

現在30歳の人が60歳までの30年間の間、年100万円を貯めた場合、全く運用をしない場合は3000万円ですが、1%複利の場合で約3478万円、3%複利の場合で約4758万円、5%複利の場合で約6644万円になります。

日本では確定拠出年金制度やつみたてNISAなど老後資金を自力で作る制度が整いつつあります。老後資金を自力で積み立てる自己責任の反面、税制の優遇を受けることができれば運用次第で老後資金を大きく殖やせる可能性もあります。

年金額は、「ねんきんネット」で将来の年金額をもとに試算すると、老後に必要な資金をより正確に算定することができます。厚生年金額は報酬額によって大きく変わり、国民年金の場合も収めた期間によって金額が大きく異なります。

参考記事

FPが教える「老後資金2000万円の蓄え必要(金融庁)」の意味

おひとりさまの老後 1500万円以上の貯金が必要なのか

40歳、年収300万円、独身会社員の年金受給額は138万円

日本FP協会の「今からはじめるリタイヤメントプランニング 〜50代から考えるセカンドライフ〜」も一読すると参考になります。また、協会ではFP無料相談を体験することも可能。50代からと言わずにお金が足りない若い世代も時間を味方につけて今から老後の準備を始めたいところです。

シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

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